9月17日 火曜日 乗り物131
こんばんは。
今夜の「乗り物」は、定期的に投稿しているJR北海道の話題です。
■ 赤字縮小も・・・
まず、2019年9月4日、2018年度と2019年第一四半期の線区別収支を発表しました。
営業損益では、札幌圏以外で対前年(2017年)比で改善したのですが、その要因は
・雪が少なく除雪費が削減された
・石勝線の夕張支線でお別れ乗車の利用者が増加した
という一時的あるいは自然に左右される不確定な要素が挙げられています。もっとも
・減価償却費が減少した
・むかわ町が高校へのスクールバスを廃止し、JR定期券助成に切り替えた
という比較的安定した要素もありますが、今後も大きく貢献するとは言えません。
不安な要素としては、札幌圏での赤字拡大が挙げられます。千歳線や札沼線の高架橋修繕費が原因に挙げられていますが、広大かつ過酷な自然環境の北海道では、常に修繕費が嵩むリスクと隣り合わせの状況ですから、今後も赤字拡大の懸念は消えません。
■ エアポートの見直し
とは言え、札幌圏、とりわけ札幌~新千歳空港の区間は、JR北海道にとっての稼ぎ頭ですから、ここでいかに収益を上げるかは重要です。
「乗り物」第70回でも触れましたが、将来的には新千歳空港駅を大規模改修し、函館や帯広方面への導線を整備する計画があります。
そうしたことを見据える上でも、基本的に、現在毎時4本(15分間隔)で運転されている快速エアポートの輸送力向上は喫緊の課題でもありました。
これについては9月11日、エアポート車両の新製増備や信号機などの地上設備増強を行ない、2020年春から毎時5本(12分間隔?)へと増発が決まりました。
これに加え、空港アクセス利用と、沿線住民の足としての利用の棲み分けを図るため、増発されるエアポートのうち、朝の通勤通学時間帯と夜間については、新札幌駅と南千歳駅のみに途中停車する特別快速「エアポート」が設定されることになりました。
ようやくという気もしますが、エアポートの改善には期待ですね。
■ 新型気動車投入
また、設備投資の点では、新型気動車「DECMO」の投入が決まりました。
合計15両を営業投入し、老朽化著しいキハ40系の置換えを図ります。最初は函館本線の長万部~小樽間に投入されることとなりそうで、山間を走るキハ40系が見られるのも残りわずかです。新型車両投入により、一時的には費用増加となりますが、メンテナンスや消費電力など、諸々の面ではプラスの効果が見込まれています。
しかし、赤字を生み続ける北海道新幹線や、依然として維持管理に膨大な費用が掛かる地方部路線の存廃など、厳しい課題が山積しています。JR北海道は民間企業ながら、一方で、住民の交通手段という大切な役割も担っています。今後の動向も注視したいです。