5月9日 水曜日 小さな旅第50回
こんばんは。
ゴールデンウィーク明けの週半ば、そろそろ疲れやダルさ、出てくる頃でしょうか。わたしは連休中も働いていたので、6月頃の適当な時期に、どこか放浪の旅に出たいと思っています。と言っても2泊が限度ですが。
さて、話は変わりますが、皆さんは志村けんさん扮する「ひとみ婆さん」というキャラクターをご存知でしょうか?折れ曲がった腰、シミとシワだらけの顔、老眼鏡という昔ながらのお婆ちゃんスタイルで、一生懸命働くのですが、周囲に迷惑を掛けることだらけ(Youtubeなどにも動画多数あります)。それでも天然ボケなところがあり、憎めない存在です。子ども時代に「8時だよ!全員集合」で腹を抱えて笑っていた世代として、この「ひとみ婆さん」は志村けんさんのコント力健在を感じる作品なのです。
なぜ唐突に、そんな話を持ち出したかと言えば、我が家の中でいつも話題に上る、某温泉地に建つホテルの仲居さんが、「ひとみ婆さん」を地で行くような方だったからです。我が家は皆、温泉好きですから、年に2回は各地の温泉に出向くのですが、これほどまでにインパクトを残す仲居さんはいませんでした。
「失礼致します」とビブラートの効いた(というか震えた)声で入ってきた瞬間、腰の曲がり具合、シミだらけの顔、老眼鏡と、まさに「ひとみ婆さん」のモチーフのような方です。そして「今日はどちらから?」と聞かれて答え出した矢先に、「あぁ、あぁ、そうでございますか。それはそれは、遠いところから、ようこそお越しくださいました」と正座して頭をペコリ。既に会話のキャッチボールがズレてます。
さらには、コチラが何も聞いてないのに、「わたしはね、こう見えても、ホラ、戦後生まれですから」と切り出すんです。どう見ても戦前のお生まれに見えますし、わざわざ言う必要も無いのに、何度も「あたしは戦後生まれですから」を、壊れたレコーダーのように繰り返すんです。それがボディブローでじわじわ効いてくるんですよ。笑いを堪えるのに必死です。思わず家族全員を見回すと、皆、笑いを堪えている様子。
ひとしきり説明を終えると、「お給料いただいてますから。わたしは戦後生まれですから、まだまだ働きますからね。何なりとお申し付けくださいませね。お手伝いさせていただきます。」と挨拶。そこで、ガタイの良い父が、大きめサイズの浴衣をお願いすると、「すぐにお持ちします」と言ったが最後、コチラがフロントに電話するまで浴衣が届くことはありませんでした。きっと仲居さん、何か別の用事をして、すっかり記憶から抜け落ちたのでしょう。
さらには夕飯を終えたとき。「明日のご朝食ですが、何時になさいましょう」と聞くので、「少しのんびり寝たいので、7時にお願いします」と伝え、メモを取って仲居さんは退室されました。その翌朝。6時10分頃にノックの音がします。「失礼致します。〇〇様、ご朝食お持ちしたのです、よろしくお願い致します」と言うのです。
お年寄りは朝が早いですが、さすがに50分前は早すぎですよね。仕方なく了承すると、「お隣の部屋の方もね、お向かいの部屋の方もね、ノックしても返事がないですよ。助かりました」とのこと。それはきっと、依頼した時間より相当早く訪れたからでしょう。まだ寝ていた家族たちは「ん?もう7時?」などとムニャムニャ言いながら、寝ぐせそのままに起きて、無理やりの朝食をいただきました。
仲居さんは、その脇で曲がった腰のまま布団を上げてしまい、結局は二度寝も許されない状況に。朝食を片付ける際は、「ごゆっくりとおくつろぎください」と言われましたが、既にくつろげる状況でも無く、予定より1時間早めて宿を後にしました。
もちろん、一生懸命やっているお婆ちゃんに文句など言うはずも無く、逆にその強烈なインパクトゆえ、温泉の話が出るたびに家族の笑いのネタとして登場します。今も「わたしは、こう見えても戦後生まれですからね」を繰り返しながら、ご健在なのか。
いつかまた、その仲居さんに会いに、その温泉地を訪れてみたいと思います。
**告知**
木曜日は「保険+α」を書いてきましたが、明日からは「数字でアカデミー」を開始します。ある数字をテーマに雑学を展開していきます。
もちろん保険も数字が溢れています。どこかで登場するかもしれません。
【今後の曜日別テーマ】
日曜日 今日は何の日?
月曜日 時事の戯言
火曜日 乗り物
水曜日 小さな旅
木曜日 数字でアカデミー
金曜日 マニアな小ネタの世界
土曜日 気になるニュース
毎月11日 忘れない3・11
他、【特集】として、過去に曜日テーマとしていた音楽やスポーツ、保険などを不定期連載していきたいと思います。
今後もよろしければ、お付き合いください。