1月5日 金曜日 マニアな小ネタの世界第38回
こんばんは。
お正月が明け、なんとなく通常モードに戻ったと思った途端、またもや三連休で、なんとなく身も心もなまりそうという方も多いかもしれません。
さて、今夜の「マニアな小ネタの世界」は、そんなお正月に欠かせない食べ物の話を取り上げます。日本の食文化の地域差、調べてみると面白いですね。
① お雑煮
■ お雑煮とは
お雑煮は、お餅を中心に、野菜等を具とし、だしで味付けした汁料理です。「雑煮」という言葉は、室町時代の「鈴鹿家記」なる文献に残されているものが最初だとか。京都吉田神社の神官であった鈴鹿家の記録ですが、「鈴鹿家記」は他にも、<指身、鯉、イリ酒、ワサビ>という言葉が確認できる最古の文献と言いますから、鈴鹿家の食記録が平成にも繋がっていると考えると興味深いものがあります。
ちなみに、雑煮のルーツは諸説あるようで、武家社会の儀礼料理とするもの、民俗学によるもの、農耕社会から発したとするものなど、定説は無いようです。
■ 汁の地域差
結婚や就職、転勤、引越などで人は移動するため、その地域全体が同じ食し方をするわけではありません。しかし、大多数の食し方=その地域の食文化とは言えるでしょう。その意味で、お雑煮の汁に関する興味深い調査結果を見つけました。
2015年ですが、Jタウンネットさんがアンケート調査を行った結果です。全国的にはおすましが大半で、近畿や東四国に味噌、鳥取県は小豆汁と、見事に分かれました。ちなみにわたしは、お雑煮は味噌が当然だと思っていたので、この結果に驚きです。
■ 餅の地域差
昔、我が家の正月の朝の出来事。西日本出身の父のための丸餅、東日本出身の母のための角餅両方をついて準備していたのですが、早起きした父が雑煮の中にそのまま丸餅を入れて料理したのを見た母が、餅が溶けて汁がドロドロになったと文句を言っていました。そう、お餅一つとっても、丸か角か、焼くか焼かないか、違うんですよね。
この調査結果は、「日本鏡餅協会」さんのHPより引用させていただきました。これを見れば、関東以北は焼いた角餅でほぼ統一、その他は地域差があるようです。
我が家の父が焼かない丸餅、母が焼いた角餅を好んだ理由が、よく分かりました。
②お汁粉
■ お汁粉とは
お汁粉とは、砂糖などで甘く煮た小豆汁の中に、餅や、栗の甘露煮などを入れた料理です。料理としては、漉し餡を用いるものを「御前汁粉」、潰し餡を用いるものを「田舎汁粉」と区別するそうです。関西では漉し餡を「汁粉」、潰し餡を「ぜんざい」と言いますね。ちなみに、歴史としては江戸時代あたり、というのが定説のようですね。
■ ぜんざいとの違い
さて、似て非なるモノとされる「ぜんざい」は「汁粉」とどこが違うのでしょうか。前述のとおり、関西では漉し餡=汁粉、潰し餡=ぜんざい、と区別されるのが一般的です。しかし、その他地域では、餅に餡を添えたもの、つまり汁けが無い物を「ぜんざい」とし、汁けがあるものは餡の区別なく「汁粉」と称しているようです。
こうして見ると、日本の食文化は、地域によって違うのだと改めて認識しました。そう言えば、大学に進学して学食で天ぷらを食べた際、天ぷらにソースを掛けたのを見た友人らに「ほんと??」と驚かれたのを思い出しました。
お正月文化である「お雑煮」「お汁粉」、皆さんはどうやって召し上がりますか?
以上、「マニアな小ネタの世界」でした。