乗り物179 在来線のはなしvol32~人身事故の現状~

10月20日 火曜日 乗り物179

 

こんばんは。

 

「四苦八苦」という言葉がありますが、そのうち「四苦」とは生老病死を意味します。「生苦」は本来、生まれることによる苦しみを言いますが、現代人には、生きていくことの苦しみの方が大きいのかもしれません。

わたしは人生40年余りの中で、友人4人自殺で亡くしました。自宅裏での焼身自殺、勤務先からの飛び降り自殺、入水自殺、マンションでの首吊り自殺。そのを受けたとき、いつも心に虚しさだけが残ります。”なぜその道を選んだのだろうか-”、と。

特に、ここ数年は景気が堅調であり、今年は東京五輪で賑わうはずだったところ、新型コロナという思いもよらぬ敵に苦しんだことは確かです。そして、残念ながら、緊急事態宣言解除され、社会生活が再開された後の7月~9月は、毎月1,800名以上の方が自殺しています警察庁「令和2年の月別の自殺者数について」9月速報値)

 

過去5年の月別推移です警察庁「令和元年中における自殺の状況」)

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コレに令和2年9月までの数値を加えてみました(オレンジ色)

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1月~3月までは過去5年より自殺者数が減少し、増減傾向も例年同様でした。異変が見られるのは5月以降です。例年5月=増加、6月=減少、7月=横這い、8月=減少、9月=横這いと続くのですが、今年は5月・6月ともに4月と同水準だったものの、7月に大きく増加すると、8月・9月はその水準を維持しています。

この数字の変化は、おそらく新型コロナが影響していると思われます。

あまり影響のなかった第一四半期は例年通り推移し、活動自粛などで巣ごもりが増えた第二四半期は全体が鈍り、活動再開になったものの経済的・精神的な打撃深刻だった第三四半期で、思い詰めた方々が自殺を選んだのかと推測しました。

 

では、鉄道人身事故件数の推移はどうでしょうか(人身事故.com)

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1月、3月、8月が90件以上と多く、2月と9月が80件以上で続きます。4月~6月が少ないことは自殺者数全般に比例しているようです。そして今月は45件となっていますが、半月での件数ですから、このペースで増えれば、10月も90件前後になる恐れがあります。

 

自ら死を選んだ方を責める権利はありません。だからこそ、このやり場のない気持ちに虚しさを覚えるのだと思います。ただ、その死に方については、赤の他人にとって迷惑なこともあり、人身事故などはその一つでしょう。

 

コロナ禍真っ只中の今年5月、京急電鉄人身事故の多さを取り上げました。

例年10件台半ばで推移してきた京急電鉄が、今年3月までに11件と、異例ハイペースで人身事故を起こしていたため、かなり目立った存在になっていました。

10月16日時点の、路線別の人身事故発生件数です。

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ハイペースで3か月を終えていた京急電鉄ですが、その後約半年で9件と、落ち着きを取り戻しているように見えます(それでも総数は例年より多いのですが)

 

この京急電鉄を抑えて上位にあるのは、人身事故件数で上位の常連である2路線です。

※「中央快速線」は「中央本線JR東日本)」内にもカウントされており、本稿は「中央本線JR東日本)」として纏めます

最多の中央本線JR東日本)」合計28件、うち21件中央快速線内で発生していますから、主に「中央快速線」が人身事故が多いということになります。

 

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中央本線JR東日本)」の直近10件の詳細ですが、8月以降で9件発生しています。特に8月は6件と多くなっています。

 

続いて2番目に多い東武東上線です。

 

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コチラは8月まで静かだったのですが、9月14日を皮切りに、9月で5件、10月が毎週木曜日で3件と、この実質1か月8件もの人身事故が発生していることになります。

 

加えて、10月には池袋駅構内の設備故障で2度の運転見合わせもあるため、3日に1日は運転見合わせが起きている状況です。この路線と直通する、東京メトロ有楽町線副都心線ユーザーのわたしとしては、度重なる影響にうんざりしています。

営業キロが短い路線で、毎年上位に来ながら、ホームドアの設置も進まず高架化もしない、企業としての安全意識に、少なからず疑問を感じるところです。

 

上位の5路線がオレンジ色赤系統の塗色であり、赤系統の色は”何か”誘発するという根も葉もない話を聞きますが、この数値を見ると、真実にも思えるのが不思議です。

 

 

人身事故など、誰一人プラスになりません。

鉄道各社には、安全運行を最優先に努力をお願いしたいですし、悩んで自死が脳裏を過る方は、命の動きを止めず、自分の置かれた環境を外れてみて欲しいと思います。

自ら命を絶つことが、これ以上無いことを願ってやみません。