乗り物176 クルマのはなしvol37~日産自動車の行方

9月29日 火曜日 乗り物176

 

おはようございます。

 

今年のプロ野球セ・リーグは本当につまらないです。2位に大差をつけて独走する巨人が強いというより、他の5球団があまりに不甲斐ないというのが個人的な感想です。もちろん、巨人は前任の高橋由伸監督時代に育てた岡本選手が堂々の4番に育ち、外部から招いたベテラン選手で戦力補強しつつ内部競争を煽る原監督の采配で、若手も含めて底上げされていますから、巨人が強いのは言うまでも無いのですが。

ただ、言えるのは、ライバルが存在しなければ、リーグや球界全体が盛り上がらずレベルも上がらないということです。それは球界に限ったことではなく、自動車業界にも言えること、王者トヨタを脅かす存在がいないことに危機感を覚えます。

 

先月、英紙フィナンシャル・タイムズが、”2019年に、日本政府が日産自動車とホンダの統合を模索していた”と報じました。結果的には、双方がコレを受け入れず、結果的には立ち消えとなったようです。日産自動車にとっては”格下”と見るホンダに主導権を握られることはプライドが許しませんし、ホンダにとっては、日産自動車三菱自動車という業績の悪い企業を引き受けるメリットがありません。ましてルノーとの関係など、しがらみも多いので、この話が纏まらなかったのは当然でしょう。

 

その当事者の一つである日産自動車は、販売不振を受けた今年5月日本政策投資銀行から1,800億円危機対応融資を受けました。これには、1,300億円政府保証が付けられていたことが判明しています(2020年9月7日)。政府保証で思い出すのは、日本航空です。経営再建中の2009(平成21)年日本航空に対し約670億円の政府保証つき融資が実施されたものの、翌年に経営破綻し、約470億円の国民負担が生じました。今回、日産自動車に対するそれは一つ違います。真偽のほどは知る由もありませんが、コレが可能となったのは、日産自動車本社を置く神奈川県横浜市地盤とする政治家のが働いたのではないか、というウワサまで飛び交っています。

 

その背後事情がどうであれ、こうなれば日産自動車を破綻させるわけにはいきません。無駄なプライドなど捨てて、今一度、良いクルマづくりをして欲しいのです。日産の名は、創業当時の持ち株会社であった日本産業由来します。

外国人経営者が入ること自体は否定しませんが、同業他社に比較して、役員報酬がやたら高いのも現在の日産自動車特徴、そして国内向けが疎かなのも現在の日産自動車の特徴と言えるでしょう。日本の企業であることを忘れている気がするのです。

 

王者トヨタはと言えば、たしかに北米はじめ世界を見据えながら、足元の国内では、国内専用車「センチュリー」を開発し、「クラウン」も定期的モデルチェンジを実施、最近ではコンパクトカー「ヤリス」が(個人的に欲しいか否かは別として)人気となっています。車種整理売店統合による効率化で利益を得つつ、国内ニーズに沿う商品をきちんと提供していますし、経営が危ういマツダスバルなどに資本を注入しつつ経営には口出ししないという貫禄も見せています。プライドだけ高く、国内を放置している日産自動車が遠く及ばないのは、今年のセ・リーグ5球団と重なって見えます。

 

しかし、わたしは日産自動車嫌いなわけではありません。

175回続いているこの「乗り物」シリーズで、何度「日産自動車」のクルマに触れたか見れば、そのことはお分かりいただけると思います。

そんな日産自動車が9月16日、1年程の間に市販化を見込むという、次期型フェアレディZプロトタイプの写真を公開し、反響を呼んでいます。

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とあるクルマ雑誌のWEB記事では、初代(S30型)と4代目(Z32型)を融合し、現代化させたようなデザインだと紹介されていましたが、たしかにリアサイドのシルエットは初代と通じますね。室内では、フルデジタルメーターディスプレイが注目を集めています。こうして日産自動車の新型車が話題となるのはいつ以来でしょうか。

それこそ、1990年頃の日産自動車は、次期型がどうなるのかワクワクしました。

 

但し、「フェアレディZ」の話題で盛り上がるのは嬉しい反面、やはりスポーツカー贅沢品です。走る・曲がる・止まるという最低限の基本性能と、人を運ぶという観点を重視すれば、これほど無駄なジャンルはありません。企業イメージ構築には大いに意味を持つのですが、手に届く、できれば100万円台から買えるコンパクトカー、お年寄りが扱いやすいコンパクトセダンなどを、国内向けに開発して欲しいところです。

 

経営が著しく悪化したとき、救世主として登場したカルロス・ゴーンが、日産復活の旗印として投入したのも「フェアレディZ」でした。今回のプロトタイプ公開が空砲に終わらないこと、そして間違っても経営破綻で国民負担が生じないことを願い、今後の日産自動車の行く末が気になっている今日この頃です。