マニアな小ネタの世界139 ビックリマン独り言vol23~ヘッドのプリズム 後編~

3月3日 火曜日 マニアな小ネタの世界139

 

こんばんは。

 

昨夜は、色付きプリズムの謎を題材にしました。その冒頭でも書きましたが、第10弾までは必ず1種類は、銀色の四角プリズムが存在しました。その意味で、ビックリマン全体を見れば、銀色の四角プリズムが基本形だと言えるでしょう。

しかし、プリズムシールに着目した場合、弾によっては扇や三角といった、四角以外のプリズムが存在します。そこで今夜は、この「基本形」とは何か、について考えます。

題材は、第4弾の聖フェニックス、第9弾のヘッドロココです。この2つの弾に共通する項目として、扇形のプリズムが存在があります。

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別冊宝島ビックリマンシール公式コレクターズガイド」より)

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別冊宝島ビックリマン全シール大図鑑」より)

これらを見ると、四角プリズムが基本形で、稀に扇プリズムが混入していると書かれています。そうなった理由としては「爆発的ブームによって元来の素材が足りなくなったことに端を発していたとも!?」と説明していますが、わたしはコレに疑問を感じます。

 

昨日書きましたが、第7弾のヘラクライストではフィルムが不足してしまったために有色のフィルムを初採用したそうですが、その基礎となる四角プリズム自体は残っています。第7弾の時点で残っていて、その後も第10弾まで銀色四角プリズムが続いていることに鑑みれば、第4弾の聖フェニックスの登場時に、銀色プリズムの素材が不足していたという解説はやや苦しいのではないかと思うのです。

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実際、同じ雑誌のトリビア紹介の中で、某DNP社では、使うかどうかわからない段階からストックしていた素材を、1989年までにすべて使い果たしたと書かれています。

第1弾発売が1985年ですから、第4弾時点では当然素材は残っているはずです。

 

ではなぜ、第4弾と第9弾にのみ扇プリズムが存在したのでしょうか。

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まず、第4弾の聖フェニックスです。コロコロオンラインの「伝説シール誕生秘話 第15回」で、反後氏はルーヴル美術館でたくさんの絵画を見ているうちに」「絵画に描かれた神話の天使がマッチ」したと、聖フェニックスのイメージ誕生を語っています。

同じくコロコロオンラインの「伝説シール誕生秘話 第5回」の中で、イラストからシールデザインまで請け負う㈱グリーンハウスの担当者が「キャラクターを描くだけでなく、レイアウトするところまで自分でやるから、シールになったときの見せ方までトータルでこだわることができ」たと語っています。その配置など含めて、デザイナーとしてトータルに関わったということです。

材料費の問題もあるので、㈱グリーンハウスの担当者の一存では決められないでしょうが、反後氏とやり取りする中で、神話の天使のイメージとして、四角よりも柔らかい印象の扇プリズムを選択したとしても、自然な気がするのですが、いかがでしょうか。

流通量の多さとレア度、すなわち価格に関連性はあるので、市場の価格を確認すると、扇プリズムが最も安く、逆扇プリズム、同等かやや高めで四角プリズムが続いていることを見ても、聖フェニックスでは扇プリズムが基本だと考えるのです。

ちなみに、この生誕後の神話の天使の姿から、次界に飛び立つための武装(聖戦衣化)を終えたもう一つの聖フェニックスには、扇プリズムは存在せず、四角プリズムのみです。これはもう、扇プリズムがイメージに合わないからでしょう。

ではなぜ、四角プリズムが誕生してしまったのか。わたしが見る限り、扇プリズムは美品もそれなりにありますが、四角プリズムの美品はごく僅かです。傷んで色褪せているところを見ると、四角プリズムの方が初期段階で生産されたと予想します。扇プリズムの供給が行き届かなかった地方は四角プリズムで生産を始めた、扇プリズムに変わることを失念して四角プリズムの在庫で生産してしまった等、理由は不明ですが、現在のようにきっちり管理されていない時代のこと、そんな想像をするのも楽しいものです。

 

そして第9弾のヘッドロココで、再びの扇プリズム登場となった経緯を予想するに、これはヘッドロココが聖フェニックスの進化版という理由だと思います。

そうでなければ、わざわざ第5弾~第8弾で使わていない扇プリズムを再登場させる妥当な理由が見当たりません。偶然ではないと思います。ビックリマンでは、進化や復活にあたっては、子どもが理解しやすいように関連性を重視しますから、聖フェニックスで使用された扇プリズムの素材が再登場したと考えるのです。

 

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別冊宝島ビックリマンシール大全集」に、図案構成の段階で㈱グリーンハウスと反後氏が打ち合わせたキャラクター設定の資料が掲載されていますが、この段階で出来上がっていたヘッドロココの背景は、やはり扇プリズムです。やはり、ヘッドロココは扇プリズムが基本で、四角プリズムがレアシールということで間違いないかと。

実際、ヘッドロココの流通量や価格を見ても、扇>四角>逆扇です。

 

なお、冒頭の雑誌に戻りますが、逆扇プリズムを「素材違い」と扱うことには違和感があります。コレは、素材としては扇プリズムと同じものであり、印刷する際に向きを誤ってしまっただけのエラーシールと考えるべきです。

それにしても、特にヘッドロココの逆扇プリズムは異様高値で推移していますね。いくつかの専門ショップのページを見ましたが、美品であれば概ね30万円で買取しているようですから、店頭販売時には60~70万円程度の値付けになるのでしょう。

 

何が基本形か、それは先の「ビックリマン全シール大図鑑」のとおり、生産数・流通の度合いによって決まると思います。第10弾まで銀色の四角プリズムがあるから、四角プリズム=基本形とするのは、第4弾と第9弾ではあてはまらないと思います。