MASA日記

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歌謡曲82 テレサ・テン

1月23日 木曜日 歌謡曲82

 

こんばんは。

週替わり木曜日テーマの一つ「歌謡曲」です。

 

「アジアの歌姫」とも称されたテレサ・テンさんの訃報が流れたのは、今から25年前の1995(平成7)年5月のことです。彼女の父親が職業軍人であったこと、彼女自身も軍隊への慰問活動に積極的であったこと、香港民主化支援コンサートに出演したことなど、とかく政治的な色も見え隠れする中、享年42歳という若さでの突然の訃報は様々な憶測も呼び、気管支喘息による死という発表を額面通り受け止めない向きもありました。

彼女自身、アジア各国で精力的に活動し、とても愛らしい笑顔を見せつつも、どこか知的な鋭さも感じさせるなど、に包まれている印象をわたしは持っています。

生前のテレサ・テン死亡説、他界後のウワサなど、彼女にまつわる憶測が広がったのも不思議ではありませんが、既にこの世を去った今、真実は知る由もありません。

そんな謎めいた雰囲気が人を惹きつけるのか、不倫モノの歌やドラマも流行した時代背景も手伝い、日本再デビュー後の彼女はヒット曲を連発しました(1973年に日本デビューし、「空港」などのヒットに恵まれました。5年後、国交の無い台湾からのパスポートでは入国手続が煩雑なこともあり、インドネシアのパスポートで入国しようとしたところ、旅券法違反で国外退去処分となり、日本での活動が中断されました)

とりわけ、作詞家・荒木とよひさ/作曲家・三木たかしのコンビによる曲は彼女の世界を上手に構築し、「日本有線大賞」「全日本有線放送大賞という東西の有線大賞で3連覇という前人未到の記録を成し遂げたことは、当時の音楽シーンを知る方にとってはあまりに有名な話でしょう。それだけ多くの支持を得たのでした。

 

歌手テレサ・テンさんの数あるヒット曲の中、わたしが選ぶベスト5をご紹介します。

 

第5位 愛人(1985年2月21日)

3連覇を成し遂げた作品のうちの2作目です。

前作「つぐない」に続く不倫がテーマですが、「わたしは待つ身の女でいいの」「わたしは見送る女でいいの」と、描かれた女性が立ち位置を理解しながらも、「時が二人を離さぬように」「このままあなたの胸で暮らしたい」本音を覗かせるあたり、切なさを感じさせる歌詞になっています。

 

第4位 別れの予感(1987年6月21日)

4連覇ならずでしたが、3部作と同じ路線でヒットしました。

「身体からこの心 取り出してくれるなら あなたに見せたいの この胸の想いを」という歌詞をサラリと書いてのける荒木とよひささんの凄さを感じます。

「あなたをこれ以上 愛するなんて わたしにはできない」の「で」まで最高音を引っ張る三木たかしさんの作曲と言い、このコンビならではの安定感があります。

 

第3位 ワインカラーの記憶(1987年7月5日 アルバム「別れの予感」)

生前、テレサ・テンさん自身も、シングルカットされてない中で好きな曲と語っていましたが、仮にシングルカットしていれば、おそらくヒットしたことでしょう。

強いて言えば、少し全体に暗すぎる気もしますが、しんみりしたいときには良いと思います。とにかくメロディーラインが美しく、すっと溶け込んできます。

秋深まった頃の夕暮れに聴けば、丁度良いかもしれません。

 

第2位 時の流れに身をまかせ(1986年2月21日)

3部作のトリとなった曲で、多くの歌手によりカバーもされています。

正直、子どもの頃のわたしには良さが分かりませんでしたが、大人になって聴いてみると良さが分かります。「もしもあなたと 逢えずにいたら わたしは何を してたでしょうか 平凡だけど 誰かを愛し 普通の暮らし してたでしょうか」という歌い出し、不倫や男女関係に限らず、もし自分がその人と出会わずにいたならば、と思う瞬間はあるわけで、人生を重ねてきた中で「あなたと出会えて良かった」という気づきさえ与えてくれる歌詞が、年を重ねて感じ入るのです。

そしてこの漂うように「身をまかせ」ながら生きることを、優しく包み込むような曲調が表現しているのも素晴らしいと思います。

 

第1位 つぐない(1984年1月21日)

いきなりイントロ3音で「いい!」と思ってしまう名曲です。

サビに向けて段階的に盛り上がりを見せ、サビで弾ける、ある意味で定番の構成なのですが、盛り上がりを4段階も設け、さらにサビで上げるので、最後までどんどん引き込まれます。少し上手な方なら、カラオケで歌っても、とても上手に聴かせることができる曲だと思います。曲全体でも強弱をつけやすいですし。

2番の「お酒飲むのもひとり 夢を見るのもひとり」も切なくて良いですね。

3部作の最初にこの曲があったからこそ、彼女の日本再デビューは大成功したのでしょうし、それだけインパクトを与えた曲だと思います。

 

テレサ・テンさん没後25年の今年、生まれ故郷である台湾では総統選挙が行われ、中国本土と距離を置く現政権が支持を得ました。自由を訴え、両親の生まれた中国本土で歌うというが叶わぬまま旅立ったテレサ・テンさんが、もし今の香港や台湾の情勢を見たら何を想うのでしょうか。「時の流れに身をまかせ」を聴きながら、ふとそんなことを想うのです。凛としていて温かく、笑顔の裏に影も感じる彼女の魅力は、多くのファンの中で生き続けていることでしょう。間違っても、某局にはAIで蘇らせて歌わせるようなことはしないでいただきたいですね。