乗り物141 公共交通の在り方

12月3日 火曜日 乗り物141

 

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こんばんは。

冒頭の画像は、今年9月14日(土)熊本県で実施された熊本県内 バス・電車無料の日」のポスターです。

JRや一部路線を除く県内のバス・電車が、無料乗り放題となる企画です。

九州産交グループが企画し、計4694便が対象となったこの壮大な企画ですが、バスはステップまで人が溢れる超満員、市電は電停から道路に人が溢れかねない混雑ぶりと、大きな反響を得て終えたのでした。ちなみに、無料とすることで生じる減収分は、企画者である九州産交グループが他事業者分含めて負担することで実現したと言います。

さて、”1日無料乗り放題企画が大盛況だったのですね”で済ませる話ではないようです。

当日の効果を検証したところ、バス・電車の利用者が約25万人、中心市街地の来訪者は通常の約1.5倍(ランチタイムは約2倍)、経済効果は約5億円に上りました。

一方で渋滞の長さ(最大渋滞長)は59%も減少するというメリットも生まれました。

熊本県内の路線バス運行に関わる年間コスト(各社の運賃収入と、赤字に対する補助金の合計額)を県内の総世帯数で割ると、1世帯当たり約1万2000円、つまり、各世帯月1,000円を負担することで、バスの乗り放題を実現できる試算です。

 

世帯が月1,000円負担し、バスに乗り放題となれば、地方にありがちなクルマ社会からの脱却に一役買う可能性を秘めています。実際、無料の日に行ったアンケートでは、「日頃は公共交通を利用しない」という利用者が36%に上ったことからも、こうしたキッカケがあればクルマ社会からの見直しを図っても良いとも読み取れます。

クルマを維持するコスト、高齢者の操作ミスによる事故、交通事故、排ガスによる環境問題、クルマを持つことで生まれる諸問題が、各世帯1,000円で緩和されるならば、大きな選択肢だと思うのはわたしだけでしょうか。

実際、今回の「無料の日」は壮大な社会実験の意味合いを含んでいたようです。九州産交グループが、駅から離れた市街地の熊本交通センター跡地に建設した商業施設「SAKURA MACHI Kumamotoの開業にあたり、コンパクトシティの促進と、クルマ社会の脱却、そして中心市街地の再活性化など、中長期を見据えたものでした。

 

仮にこの事実と分析が具体策に反映されるならば、熊本の公共交通機関の在り方は、地方都市の将来に大きな一石を投じるものになると思います。

この取り組みが今後、どのように発展していくのか、注目したいと思います。