保険+α 50 台風と火災保険

10月13日 日曜日 保険+α

 

おはようございます。

 

台風19号は、昨日19時頃に静岡県伊豆半島付近に上陸し、首都圏を通過しました。わたしの住む地域は、朝早くから強い雨が続き、夜になって強風が吹きました。雨戸を閉め、窓を養生テープで補強し、排水溝やトイレには水嚢を用意するなど事前に備えましたが、今朝見た限りではいずれも取り越し苦労で終えたように見えます。

しかし偶然この地域が被災しなかっただけで、市内では倒木なども発生しているようですし、隣接する市では河川が氾濫し、一部地域で浸水被害が生じていますので、とても他人事とは思えません。今回も神奈川県や長野県、埼玉県などで水害が起きていると報じられていますし、先日の台風で被害がまだ癒えない千葉県では竜巻も発生したとのこと。加えて、震度4の地震もあったようですから、自然の猛威をまざまざと感じる1日でした。ご被害に遭われた皆様には、心よりお見舞申し上げます。

 

さて、日曜日は「今日は何の日?」で、既に本日の記事は完成していますが、その更新は本日に限り今夜18時半とし、朝は「保険+α」を書いておきます。わたしが以前、台風被害で火災保険を利用した中で学んだことであり、年数の経過とともに違っている部分もあるかもしれませんが、台風一過の今日に片付けや修理を検討される方もいらっしゃると思います。ご参考になれば幸いです。

 

■ 何が原因か

火災保険はかつて、その事故原因に応じて、支払の可否認定方法免責金額が異なっていました。そのため、何が原因で起きた事故かを特定しておく必要があります。

台風で言えば、可能性としては「風災」「水災」が主たる原因です(場合により、他の支払事由に該当するケースもありますが、稀です)。

たとえば、強風でどこからか飛んできたモノで窓ガラスが割れたとき、それは「外部からの物体等の飛来」では無く、あくまで風が原因でモノが飛んでいるので、「風災」と判断されます。台風が襲来し、近隣の河川が氾濫して水が住宅街に流れ込んだ場合や、その地域の形状や排水能力の関係で水が溢れた場合などは、たとえ台風による大雨が原因であっても、それは「水災」と判断されます。

水による被害が生じた場合で、「風災」「水災」いずれかで迷うときの判断基準は、地盤面から水位上昇して被害が生じた場合と、土砂災害の場合は「水災」、その他については「風災」と考えておくと、大まかな区分ができると思います。

 

■ 加入する火災保険の補償内容を確認

火災保険は、最も古い普通火災保険から始まり、少しずつ対象となる事故形態と、それに対応する補償範囲を広げてきた過去があります。

たとえば、住宅火災保険では「風災」は補償されますが「水災」は補償されません。しかし、住宅総合保険になると「風災」「水災」ともに補償されます。

住宅総合保険以上の、いわゆる「オールリスク型」保険では、「風災」「水災」ともに補償範囲になりますが、補償範囲が広い上に自然災害による支払も急増の一途を辿る中で、保険料も必然的に上昇しています。保険料が高いことを嫌う方のために多く設けられているのが「水災不担保特約」です。近くに河川や海が無い、過去にその地域で洪水が無いなどを理由に、”水災は不要”という契約者がコレを付帯することで、オールリスク型保険でありながら「水災」だけを補償内容から外し、その分の保険料を下げるメリットがあるのです。しかし、今回の台風でも各地で河川が氾濫し、「まさかこの地域で浸水するとは・・・」という声も聞かれるとおり、想定外の「水災」も発生したようです。「オールリスク型」だから安心では無く、「水災」が生じたならば、「水災不担保特約」が付帯されていないかどうか、併せて確認しておくと良いと思います。

 

■ 加入する火災保険の支払方法や免責金額を確認

まず、「風災」については、加入時期が古いほどフランチャイズ方式」と呼ばれる免責金額が設定されています。損害額20万円満たない場合は支払対象とならず、20万円以上となる場合は免責金額が適用されず支払われます。

ココで言う損害額は、損害保険会社が考える適正な修理費用(材料の単価と工賃)で認定される数字であり、かつ、廃材処分費用控除した金額です。

したがって、過大に見積もって20万円を超えたとしても、市場の修理費用を見れば15万円程度となれば、損害保険会社の認定にはなりません。また、適正な価格で22万円であっても、その中に廃材処分費が3万円含まれていれば、損害額は19万円となり、やはり「風災」の支払われる20万円に満たず、1円も支払われないことになります。

これに対し、近年の火災保険では、事故形態に限らず「エクセス方式」と呼ばれる、世間一般に「免責金額」で認識されている免責金額が設定されていることが多いようです。つまり、先程書いた損害額から、契約時に設定している免責金額を差し引いた金額が認定され、保険金が支払われるのです。

例1 適正な見積額22万円、うち廃材処分費3万円の場合

フランチャイズ方式20万円の免責金額の契約

  22万円-3万円=19万円 < 免責金額20万円 → 支払われない

②エクセス方式5万円の免責金額の契約

  22万円-3万円=19万円-免責金額5万円 → 14万円が認定損害額

例2 適正な見積額25万円、うち廃材処分費3万円の場合

フランチャイズ方式20万円の免責金額の契約

  25万円-3万円=22万円 > 免責金額20万円 → 22万円が認定損害額

②エクセス方式5万円の免責金額の契約

  25万円-3万円=22万円-免責金額5万円 → 17万円が認定損害額

なお、損害額算出の際に控除された廃材処分費などは、「残存物取片付費用保険金」などの別項目の中で、所定の範囲内で認定されます。

 

一方、「水災」についても、保険の新旧によって認定方法が異なります。

基本的に「床上浸水」が補償対象となります。

ココで言う床上浸水とは、居住の用に供する部分の(畳敷または板張等のものをいい、土間、たたきの類を除く)を超える浸水または地盤面(床面が地盤面より下にある場合はその床面をいう)より45㎝を超える浸水を指します。

床上浸水が発生している場合に支払われる金額は、保険の新旧差があります。

古い保険では、その損害の割合に応じて、支払われる金額が決まります(再調達価額の15%未満の損害、再調達価額の15%以上30%未満の損害、再調達価額の30%以上の損害の3区分に応じて、支払われる金額の割合が異なります)

新しい保険では、風災同様にエクセス方式の免責金額を適用するのみの保険がある一方、水災リスクには備えたいが保険料上昇を抑制したいという契約者向けに、旧来型同様に損害割合に応じて認定する特約が用意されるなど、複雑です。

内容を確認し、分からないときは、損害保険会社や代理店に確認してみましょう。

 

■ 片付ける前に

一刻も早く元の生活に戻りたいというのは、当然の心理です。

ボランティアや、知人・友人の手を借りて、ダメなモノを処分し、部屋を清掃したいと思うことでしょう。但し、火災保険という観点で見たときは、一つ注意が必要です。

建物の火災保険であれば、全景表札、そして個々の損害箇所を写真撮影しておくと良いです。水災であれば、必ず屋内壁面に水が上がった痕跡が、床面に平行して残るはずですので、その様子も撮影しておくと良いでしょう。

家財の火災保険であれば、損害品全体の他、個々の損害を何枚かに分けて撮影しておくと良いと思います。わたしの経験上、室内全体が写るように損害品全体を撮影していたとき、確認に来られた方に「この室内に収まる損害品の量として適正だと分かりやすい撮り方ですね」と言っていただいたことがありました。

また、家財の場合は、損害を被った品のリスト(例 SONYテレビ50型 購入時期2015年10月 249,000円)を纏めておくと良いとアドバイスを受けました。

 

修理に取り掛かろうとしても、ここ数年の傾向として、すぐに修理できない場合もあります。なぜなら、どこも建築ラッシュで人手不足な上、先日の台風等で修理が何か月も先まで埋まっている中、さらに依頼が入るので、時間が掛かるのはやむを得ません。また、仮に人手が揃っても、例えば屋根瓦の生産が追い付かない等、資材の不足も追い打ちを掛けている状況ですから、まずは長期戦を見込むしかありません。

それでも早く修理したいという心理に付け込んで、飛び込みで修理を持ち掛ける業者がいると聞きました。もちろん、そのすべてが悪いとは言いませんが、中には法外な修理金額を提示されたり、保険請求を代行すると働きかけたり(保険請求は、ここまで見たように面倒なので、つい信頼したくなりますが、被保険者自身の請求以外は保険会社は対応してくれません)、酷い場合は、屋根を確認すると働きかけて、実際には損害の無い屋根の瓦をズラしたり、一部を破損させるといった行為も見られるそうです(知人に聞いた話です)。一刻も早く修理したいという気持ちは当然ですが、建築時の業者や、信頼できる地元の業者に修理を依頼し、それが無ければ複数の業者に見積を依頼して比較するなど、慎重に対応したいものです。また、損害の確認にあたっては、保険の代理店さんなどにも事故報告すると同時に、立ち会ってもらうと良いと思います。

 

被害に遭われた方々は、これから重い気分が続き大変だと思います。くれぐれも心身の変調に気を付けてください。

以上、台風一過の朝、日曜日としてはイレギュラーですが、わたしが知る限りの素人知識で恐縮ですが、「火災保険」について書いてみました。

また、台風に関して他人に損害を与えてしまった場合の過去記事のリンクを貼っておきますので、よろしければご参考になさってください。

 

日曜日テーマ「今日は何の日?~10月13日編~」は、本日18時半頃の更新予定です。もしよろしければ、ご覧ください。