MASA日記

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マニアな小ネタの世界111 桃太郎

8月16日 金曜日 マニアな小ネタの世界111

 

こんばんは。

 

先日、とあるニュースを目にしました。

千葉県袖ケ浦市の市立奈良輪小学校6年、倉持よつばさん(12歳)が「桃太郎は盗人なのか? ~『桃太郎』から考える鬼の正体~」(新日本出版社、本体価格1500円)という本を出版するというものです。12歳にして初の著書ということに驚きを覚え、ニュースを読んだのですが、中身を知り、感心したのでご紹介します。

 

桃太郎といえば、知らない人はいないであろう、日本のおとぎ話の一つですよね。

桃から生まれ、桃太郎と名付けられた男の子は、お爺さんとお婆さんに貰った黍団子を手に、途中で出会ったイヌ、サル、キジを従えて鬼退治に出向くのです。

鬼が島では、村人から盗んだ金銀財宝を並べ、鬼たちが酒盛りの最中でした。そこに登場した桃太郎一行は、見事鬼退治に成功し、それらを取り返して村に戻ったというストーリーです。桃太郎は村の英雄であり、鬼は悪者、この図式はストンと理解できます。

そして、鬼=悪、桃太郎=善という図式は、ほぼ現在の共通認識でしょう。

 

ところが、倉持さんは、そこに疑問を覚えたといいます。

きっかけは、2017年、「図書館を使った調べる学習コンクール」図書館振興財団主催)に応募した倉持さんが、高速道路の現状を調べて、優秀賞・NHKを受賞した際に贈られた副賞「空からのぞいた桃太郎」(影山徹、岩崎書店という本を読んだことでした。帯に巻かれた「鬼だから殺してもいい?」というメッセージに気づき、「鬼ケ島の鬼は悪者なのか」という疑問を持ったのです。

素晴らしいのは、疑問に対して、丁寧に調べ比較したこと。なんと、読んだ桃太郎の絵本は200冊以上、昨年の夏休みには、桃太郎の蔵書が多い岐阜県図書館(岐阜市まで足を運んで74冊を読み比べたといいます。

そして膨大な桃太郎を整理し、気づいたことは時代による変化でした。

■ 江戸時代~明治時代初期  桃太郎は鬼から宝物を奪う

■ 明治後期~        鬼自身が降参し、宝物を自発的に差し出す

■ 昭和           優しい鬼が登場する

そして、非力な鬼から金銀財宝を取り返す桃太郎について、かの福沢諭吉が「盗人だ」と批判していたことを知り、共感を持つようになったそうです。得体の知れないものを「鬼」とすることで、日本人は昔から心の安定を図ってきたという結論を導いたという倉持さんは、この調査をもとに2018年の「図書館を使った調べる学習コンクール」に応募、小学生の部(高学年)で最高賞の文部科学大臣を受賞しました。

そして今般の、12歳にして出版という流れに辿り着いたのです。

 

とかく、幼児期に読み聞かせる物語ですから、悪者と善者という単純な図式を用いていますし、正義の味方は子どもにとっても憧れですから、ひとまず桃太郎の現在一般的な認識自体を変える必要は無いと、個人的には思っています。

また、倉持さんの本を読んでいませんが、取り返した財物は、鬼が村人から奪ったものであったという前置きがどう処理されているのか分かりません。少なくとも、暴力に訴えて自力救済を図る桃太郎の行為は、現在の法的にはアウトです。だからといって、桃太郎が盗人で、鬼は悪く無いという結論が正しいかは、一概に言えません。

 

ただ、わたしが感じたのは、帯に書かれた言葉をヒントに、ごく当然だと思われていることに疑問を抱き、熱心かつ丁寧に調べ上げて、それを整理して纏めるということが自発的にできるのが素晴らしいということです。

人に与えられ、すべて教わるのが勉強では無く、キッカケから自分で広げていく力、これからも大切に養って欲しいと思いますし、益々意欲を燃やして欲しいものです。

 

まさにマニアな小学生の話をご紹介しました。受賞、おめでとうございました。