時事の戯言55 闇営業に思う

6月28日 金曜日 時事の戯言55

 

こんばんは。

 

本来は「マニアな小ネタの世界」の金曜日ですが、脱線で「時事の戯言」です。

 

名の知れた芸能人が多数関わったことで、事の他、ワイドショー週刊誌を賑わせている、いわゆる「闇営業」問題について、爺の思うところを少しばかり。

 

この問題、①会社を通さない、つまり会社の取り分が無い営業スタイルであった点(ここから「闇営業」と称されています)、加えて②参加したイベントが反社会的な勢力(集団詐欺グループだったと報じられています)の集まりであった点、が問題の本質です。誰が嘘をついたとか、金銭授受が間接的だったかとか、仲介者が多くピンハネしていただとか、様々な問題を散らかしていますが、ポイントは大きく上記2点でしょう。

 

■ 闇営業について

日本の社会においては、未だ副業に対してはアレルギーが根強いのも事実です。それは、取り上げられる副業が、あまり好印象を持たれないものが多いこともありますし、ある会社に身を置く者が他業に精を出すのは信義にもとるという思いもあるでしょう。

しかし、最近では副業を認める企業も多く、大手と言われる企業でも、それを奨励する動きもあります。被用者が副業することで、異文化のノウハウを入手できるメリットが雇用者にはありますし、被用者自身は、収入の柱を複数持つ安定性の確保や、外部に広い人脈を作ることができるメリットがあるのです。

ただ、本件はこの副業とは異質なものだと思います。同じ業界の同じ仕事をするにあたって、本来は会社を通すべきものを通さずして、お金を懐に入れていますから、やはりルール違反、裏切り行為だと言われても仕方ないでしょう。

「金銭は受け取っていない」「間接的とは言え金銭を受領した」と、当人たちの発言は推移しましたが、もとよりこれを真実と受け止める向きは少なく、売れっ子の芸能人が無報酬でイベントに出演するなどあり得ない、という見方が大勢を占めていました。

わたしの推測でしかありませんが、おそらく企業もそれを黙認していた歴史があったのだと思います(あくまで推測です)。なぜならば、完全に実力主義成果主義の世界に生きれば、バラ色の人生も夢ではない代わりに、その日暮らしも苦しい人もいるというリアルがあるからです。それでも組織に縛り付ければ、たちまち人生詰んでしまう人の方が、圧倒的に多いのが現実だろうと想像するからです。

したがって、度を越したものは別として、問題にならない程度であれば、それは見て見ぬフリをしてきたというのが、実際の歴史だろうとわたしは推測するのです。

ところが今回、こうして大問題になったのは、やはり売れっ子と言われ、知名度もある芸能人になった彼らが、それでも「闇営業」をしたことに、金に対する汚さを感じ拒絶反応に至ったのが一つの理由ではないでしょうか。しかも「金銭授受はない」という、多くの人にとって納得しがたい言い訳をしたことで、火に油を注ぐ結果になったのでしょう。個人的には、「闇営業」自体は一定の理解を示す(本当は示して良いものではないのかもしれませんが)のですが、「かわいい後輩の依頼でもあり、断らずに参加しました。出演時間や知名度に応じて報酬も受領しました。ただ、自分は既に顔も広く知られる身になってまで、会社を通すという筋を通さなかったことを反省しています」と言えば、わたしは素直に納得できるものでした。

 

■ 反社会勢力との関わりについて

まず、誤解無きように断りますが、広く言われるところの反社会勢力は肯定しません。

その上で、わたしは興行の世界と反社会的勢力は、昔から一定の関わりがあると思っています。芸能人が反社会的勢力の宴会に顔を出したという話は、昔から数え切れないほどあるのです。それは、下積みの苦節時代から興行を支える反社会的勢力と、それに恩を感じて縁を保つ芸能人の関係性からすれば、わたしはやむを得ないと思っています。

しかし、それはお互いの人と人との関係性ゆえの話だからこそ、”そういうこともあるのだろうなぁ”と妙に納得する部分があるのです。

たとえば、歌手の松山千春さんは、2007年、京都府内で開かれた指定暴力団の会合に出席し歌を披露していたことが明るみに出た際、彼は過去にも複数回、出席したことをあっさり認めました。もちろん、多くの方は、それに拒絶反応を示すことでしょう。

ただわたしは、”人として付き合っている中で恩もあるし、祝ってやりたい気持ちもあって、あくまで個人の付き合いで出ただけで、それがおかしいか?”と言われれば、個人的にはむしろ”仁義を通す人だなぁ”とさえ思うのです。

それは、そういう関係はきっと陰ではあるだろうと推測しているだけに、そこで「そうだよ」とあけっぴろげにされると、むしろ潔さを覚えるのです。もっと言えば、個人的には松山千春さんの好感度が内心上がりました。

ところが、今回の話はやや違います。そうした反社会的勢力との人と人との深い付き合いは無い中で、あくまで単発の仕事として出向いていると思われます。

そうなると、やはり金のために行った(せいぜい良く解釈しても、かわいい後輩のために参加して報酬はしっかり求めた)との誹りは免れないでしょう。

しかも週刊誌によれば、誰が見ても特殊な集団であることは容易に察することができるし、仲介者はその実像を理解していたはずだとされています。

それにも関わらず、のこのこと出向いて参加した上で「知らなかったとは言え」と断るあたりにズルさを感じる、言い訳に無理があるのだと思います。

これも「最初は知らずに行ったのですが、行ってみると”ちょっとヤバそうやな”と思ったんです。ただ、その場に登壇してるのに、『帰ります』とは言われへんので、流れの中で参加してしまったんです」と当初から認めれば、”そういうこともあるわなぁ”と、わたし個人は理解できます。

 

 

結局のところ、人と人との関わりもない詐欺集団の会合に、知名度のある芸能人が「闇営業」という小遣い稼ぎに出掛け、相応の金銭も受領しておきながら、「知りませんでした」「金は貰っていません」と平然と、すぐバレる嘘をついたことで、多くの人の癪に障ったのでしょう。どちらの問題点も素直に認めておけば、これほど嫌悪感が広がらずに済んだものを、イメージを自ら悪化させてしまったあたり、残念なことですね。