乗り物116 クルマのはなしvol8 攻めるマツダ

6月4日 火曜日 乗り物116

 

こんばんは。

今夜は「クルマのはなし」シリーズ第8弾です。

 

トヨタ自動車は販売店統合と車種整理、日産自動車は電動化など、メーカーごとの中長期戦略が掲げられる中、一際目立つマツダを今夜は取り上げます。

 

元来、技術屋集団の色が強いメーカーではあります。近年でいえば、スカイアクティブシリーズ、特にエンジンでは常識を覆す技術で度肝を抜かれました。そんなマツダの技術屋集団ぽさをカモフラージュし、洗練させたのが「魂動デザイン」です。

こうしてマツダは、かつて「マツダ地獄」と揶揄された安っぽさは消え、5チャンネル政策の失敗から立ち直り、すっかり独自の地位を築き上げています。

 

そして更なる高みと独自性を目指すマツダが打ち出す戦略の数々に、わたしは密かに期待を寄せ、関心を持ってみています。

MT車の充実

新車の98%がオートマチック車(CVT含む)とされる現代、マツダではCX-8以外の全車種にマニュアル車を設定しています。

マツダとしては、走ること、操ることのイメージとして、マニュアル車設定を積極的に行っているようですが、まさにブランド戦略の一環ですよね。

また、昨今問題化している、踏み間違いなどの事故防止に役立つ可能性も指摘されており、時代に逆行するような戦略が、意外なところで開花する可能性も秘めています。

 

■ 直6エンジンのFR車発売

かつては日本では、高級車はFR車、走りといえば直6エンジンというのが定番でした。やがて、室内を広く取るためにフロントオーバーハングを切り詰め、エンジンをV型に配置することが定着し、現在は高級車でもV6でFF車などが主流です(ダウンサイジングで4気筒エンジンも増えていますが)。

しかし、エンジンの小型化も進み、走りや操作をアピールしたいマツダにとっては、直6FR車への回帰をいち早く打ち出すことで、マツダの存在感を際立たせ、イメージ戦略としても大きな意味を持つと思います。

 

■ 車種名の国際統一化

今から30年近く前、バブル末期のマツダでは、5チャンネル政策に向けた車種拡大もあり、国産メーカーでは馴染みの無かった「アルファベット+数字」という車種名の採用を断行し、失敗した過去があります。

たとえばセンティアの姉妹車MS-9や、クロノスの姉妹車MS-6などがそれです。

時代を先取りし過ぎた感があり、その後はクロノス、ミレーニアなど、個別の車種名に回帰しましたが、最近では(他社も含めて)「アルファベット+数字」に馴染みが出てきました。もともとマツダの場合、RX-7という歴史ある車種を有していることもあり、その意味ではマツダ自身に抵抗は無いのでしょうが、さらに国際統一化に向けて踏み込んだのは、新型アクセラでした。

正しくは、新型「アクセラ」だったはずのマツダ3」です。

海外では既に「マツダ3」でしたが、国内車種名としては思い切った印象です。今後、モデルチェンジに合わせて、「アテンザ」なども国際統一化を図るのでしょうね。

 

■ 魂動デザインの深化

マツダが先取りし過ぎたものとして、5チャンネル政策時代のデザインも挙げられることがあります。センティアやRX-7、コスモなど、美しい曲面を採用したクルマたちは、海外で高評価だったにも関わらず、日本ではいま一つでした。

昨今、マツダ車はブランド共通のデザインコンセプト「魂動デザイン」を採用し定着、評価も良いのですが、新型「マツダ3」でさらに深化しています。

日本車に多いキャラクターラインを極力廃し、シンプルでいて美しく、連続性のあるデザインへと生まれ変わっています。

無理やりなキャラクターラインや、やたら威圧感の強い大型グリルなどに拒否反応のあるわたしにとっては、工芸品のようなデザインに好感を持っています。

 

 

ハイブリッドや電動化、快適な移動空間確保のための室内広大化に走る主力メーカーとは一線を画し、走り操る楽しみを提供すべく、エンジンを進化させ、レイアウトをFR化(全車では無いが)し、それに合わせたデザインを磨き上げるというマツダ独自の路線は、とても面白いと思うのです。このマツダの攻めの戦略、成功して欲しいです。