乗り物112 クルマのはなしvol7 1990年登場のクルマたち

4月2日 火曜日 乗り物112

 

こんばんは。

 

自動車雑誌や自動車記事を読めば、「平成」元年である1989年は、稀に見る新車の当たり年だという記事が踊っています。セルシオレガシィロードスタースカイラインなど、確かに30年を経た今でも評価の高い車名がズラリと並んでいます。

では、その翌1990年の新車に名車はあるのか、調べてみました。

 

■ セラ(トヨタ

あの堅実なトヨタが送り出した、珍車と言えば、このセラは筆頭格でしょう。初代のみで消滅しましたが、小型FFクーペで、ガルウィングを採用するというぶっ飛んだ発想は、トヨタ遊び心として雑誌などでも多く取り上げられました。

但し、実際に乗るとなれば話は別で、ガラスエリアが広すぎて夏は陽射しが酷い、ガルウィングのお陰で開閉時に横幅を取るため小型車なのに駐車に不便など、売りであるはずのガルウィングがマイナス要素になるという残念なクルマでした。

但し、もともと少ない稀少車ですから、維持できているなら残すべきクルマでしょう。

 

■ プレセア(日産)

日産は1990年、欧州セダンを意識したプリメーラを発売しましたが、同年に日本美を意識した新車種として登場したのがプレセアでした。

サニーベースだったと思いますが、そのデザインは当時の流行を取り入れていました。カリーナED(トヨタ)に端を発する、極端に低い車高がその特徴の一つであり、もう一つは日産の高級車・インフィニティQ45にあったグリルレスのフェイスです。

それらを融合したデザインは、日本の美と言われれば感覚的に分かりますが、用途としては大衆車ですから、いま一つキャラクターが定まらないクルマでした。

 

GTO(三菱)

この頃の三菱は、まだ攻めていました。大型セダンのディアマンテ、姉妹車のシグマを投入したこの年、スポーツカーでも高級車を投入します。それがGTOです。

往年のギャランGTOを彷彿とさせるネーミングで、そのスポーティ感を訴求しようとしますが、残念なことにホンダNSXの方が本格派に見えてしまったため、その陰に隠れた”なんちゃって”スポーツカー的な印象が拭えませんでした。

リトラクタブルライトの真っ赤なGTO、悪く無かったと思いますけどね。

 

■ ユーノスコスモ(マツダ

わたしが宝くじでも当たれば購入したいクルマの一つです。

不思議な局面デザイン、マツダお得意のロータリーエンジン、当時流行の高級スペシャリティクーペとくれば、大ヒット間違いなしと思ったのですが、残念ながら当時のマツダには高級という言葉がマッチしなかったようですね。

加えて異常なまでに燃費が悪かったとか。10モードで6.4km/ℓですから、実際の数値としては2km~3km/ℓだったそうで(元所有者談)、いくらバブル期でも燃費の悪さには困ったと聞きました。度が過ぎたのですね。

 

■ アコードクーペ(ホンダ)

当時は基幹車種から派生車種を作る文化がまだまだ残っていました。

アコードといえばホンダのミドルセダンですが、ファミリーカーであるべきミドルセダンにも、ホンダは走りのテイストを加えました。それがアコードクーペです。

個人的にはカッコいいと思ったのですが、やはりセダンの足元にも及ばない販売台数で、結局浸透しないまま姿を消しました。

 

ジェミニいすゞ

乗用車の名前でいすゞを書くことなど、ほとんど無くなりました。

当時はまだいすゞ乗用車生産から撤退していなかったんですね。三菱車にも負けず劣らずの独自性あるデザインは、ジェミニの特徴です。この代のジェミニも、なんとも表現しようが無いデザインなのですが、今でも新鮮さを感じます。

走れば悪く無いだけに、あとはいすゞ販売力の問題だったのだと改めて感じます。

 

■ アプローズθ(ダイハツ

ダイハツが独自に作った小型セダンです。θ(シータ)が車名に入るあたり、昭和からの流れを感じます(三菱ギャランΣ、Λなど)。

今でこそダイハツやスズキも登録車を多く送り出していますが、まだ当時は軽自動車メーカーの印象が強いため、ほとんど売れませんでした。

これといった特徴も無く、評価のしようが無いですが、こんなクルマありましたね、という意味ではわたしは覚えています。

 

とまぁ、他にも1990年登場のクルマはありますが、その他は没個性的なクルマばかり。ここに挙げた各社のクルマは、ほとんどメーカーの意欲が空振りに終わった結果で、前年の1989年に比較すれば、明らかに不作の年と言わざるを得ません。

この年の一番の代表車はホンダNSXで良いのではないでしょうか。