乗り物106 クルマのはなしvol5 ジャパンタクシー

2月12日 火曜日 乗り物106

 

こんばんは。

最近、街中を走るタクシーに、変わったカタチのクルマが増えていること、お気づきの方もいらっしゃることでしょう。まるで英国のロンドンタクシーのようなスタイルをして、中も広そうです。どうせ同じ料金なら、そんな新型タクシーに乗ってみたいという希望、あるかもしれませんね。これはトヨタが造るジャパンタクシーなるクルマ、名前がなんともストレートですね。

 

かつて街中を走るタクシーと言えば、クラウンやセドリックといった日本の高級車をベースにしたタクシー仕様車が中心でした。やがて日産が1993年、タクシー向けに左リアドアのドア寸法を大きくするなどしたクルーを発売すると、トヨタも負けじとクラウンコンフォートを発売しました。四隅の見切りがしやすいセダンというカタチは、運転手さんにとっても扱いやすいのかもしれません。

2015年、道路運送車両法が改正され、タクシーなど乗車定員10人以下の旅客自動車運送事業用自動車に係る以下の基準を廃止されます。具体的には

1 座席の寸法に関する基準

2 通路の幅と高さに関する基準

3 乗降口の大きさ、構造等に関する基準

4 緩衝装置及び座席が旅客に与える振動、前方の座席との間隙等に関する基準

このことで、それまでクルーやクラウンコンフォートが圧倒的多数を占めていたタクシー車両に、別車種が増え始めました。代表的なところでは2代目や3代目のプリウスなどよく見かけますね。ハイブリッドなので静かですし、60kmくらいまで一気に加速するので、タクシー運転手の方も好むのかもしれません。

 

一方、2013年10月に国土交通省が、新型車では2012年から、継続生産車では2014年から横滑り防止装置を義務化したことで、旧来のセダンタイプのタクシー専用車が徐々に姿を消し始めます。基本設計の古いセドリックセダンを中心としていた日産は事実上、タクシー車両から撤退を余儀なくされ、トヨタも改良を迫られたのでした。

 

東京オリンピックパラリンピックも決まり、訪日外国人も増える中、トヨタ豊田章男社長の「このタクシーで東京の街から日本の風景を変えたい」という想いから生まれたのがジャパンタクシーでした。個人的には特にリアのデザインが”もう少しお洒落にできないものかなぁ”と思うものの、目新しさはあります。

それでも新型車、きっと好評なのだろうと思い、知人のタクシードライバーに尋ねてみたところ、案外不満が多いとのこと。

・踏んでも加速しない、特に出足が鈍い

・AMラジオが基本装備から省かれていて聴けない

・後部ドアの開閉が遅い

・窓が開かない(左後ろは半分、右後ろは全部)

車いすの乗降が面倒

・広さだけで乗り心地は良くない、重心も高い

・車高が高いので道路の高さ制限で通れない場所がある

思いつくままに挙げて貰ったところだけで、これだけ出てきました。いやいや、どれもタクシーという存在にとってかなり痛手だと思われます。

まぁ、出足で急発進されると怖いので、それは良いとしても(わたし、乗車したタクシーの無謀運転で2回交通事故起こされました)、タクシー向けに開発されたクルマなのにタクシーに求められるポイントが抜け落ちてるのは、トヨタらしからぬ気もします。

 

特にAMラジオ、客待ち中に聴くのもあるでしょうが、東日本大震災を経験したわたしとしては、緊急災害時に情報得られないという点で、AMラジオは必須だと思った次第でした。今後も改良が重ねられていくのでしょうが、熟成までにはまだ時間が掛かりそうですね。そう考えると、クラウンやセドリックのタクシー車両、意外とよくできていたんだな、とも思います。