MASA日記

働き方、お金のこと、趣味のこと、ニュースなど、徒然なるままに書いています

時事の戯言43 何の事とは言わないが・・・3

11月5日 月曜日 時事の戯言43

 

こんばんは。

 

あるクラスに、成績優秀で育ちも良いA君という子がいます。彼はクラスで6割近い子の支持を受けて学級委員長になりました。少し強引なところもありますが、彼はリーダーシップを発揮して、クラスを纏めてくれることもあり、先生も目を細めていました。

なにせ、前の学級委員長が、何代か続けて失敗ばかり、口では良いこと言っても何もできなかったこともあってか、クラスも纏まらず、他クラスからも相手にされませんでした。その状況を打開するために名乗りを挙げたA君、実はもっと前に学級委員長やった経験もあります。そのときは体調不良で無念のリタイアでしたが、今は健康です。

 

すっかり学級委員長が板についた彼の周りには、友達も集まってきます。彼の良いところは、友達を大切にするところです。特に仲間と決めた子に対しては、全幅の信頼を寄せているようで、どんな局面でも守ろうとする、よく言えば”男気”を見せます。

A君は他のクラスの学級委員長と比べても、安定感が抜群ということもあり、まだ日が浅い他クラスの学級委員長にアドバイスもします。

 

こうして一見すれば、概ね良い子とも思えるA君ですが、実は時折、厄介な一面も見せます。たとえば、自分のしたいことを「多数決で決めようぜ」と押し切ってみたり、先生に隠れてちょっと悪いこともしているフシがあります(でも、そこは優等生、尻尾を出しそうで出さないので決定的な証拠が無く、先生も注意できません)。もっとも、その強引さとリーダーシップは紙一重ですし、ときには清濁併せ呑むことも必要なのは世の常です。それが目に余るようでは困るのですが。

先生の望むこと6割、望まないこと4割といった印象ですが、なにせ色んなことを思いついては実行し、先生の望むことに対しては”こんな良いことしました!”と猛アピールも忘れません。逆に、先生が望まないはずのことは、あまり報告せず、記憶の彼方に飛んで行くことを待っているようです。

彼の性格面で言えば、好き嫌いが出やすいですね。同じクラスにいる子でも、嫌いな子や、それを支持する子には「あんな人たち」呼ばわりをしたり、話し合いを拒んだりします。どちらかと言えば、自分を支持する側の子であっても、「それってどうなの?」とひと言でも言おうものなら、「お前なんかあっち行けよ」と遠ざけることも。その様子を見ると、自分がああいう扱い受けたくないな、ひとりぼっちは嫌だな、という思いが生まれるのも当然のことで、言いたいことも言えずに表向きでは従っている子が、実は少なくないような気がします。もっとも、人の内心など誰にも分かりませんし、そんなこと言おうものなら仲間外れされるかもしれませんから、言いません。

こうして、先生も決定的な注意ができず、クラスのみんなも、色んな想いは錯綜しつつ表向きは波風立たせない状況が続いています。彼に任せれば安心だ、という純粋な気持ちの子もいれば、”虎の威を借る狐”のごとく彼の力をチラつかせて自分の想いを遂げようとする子、さらにはA君が頼んでもいないことを”良かれと思って”してしまう子など、意図的な側面もあれば意図せずそうなったことも含め、いつしかA君は内外に大きな力を持つようになったのです。

もっとも、クラスの中には4割近い、A君と距離を置く子たちもいるのですが、発信力が弱かったり、良い子だけど成績が悪かったり、人と上手に付き合えなかったりと、A君に比べて見劣りする部分が目立ちます。それだけに、先生も、とりあえずはA君にクラスを纏めてもらった方が無難かな・・・という気持ちでいます。

 

A君、自分のクラス主催で一大イベントをすることに決めたのですが、開催日は決まったものの、色々あって作業も難航し、人手が足りません。そこで彼は、他クラスの生徒を掻き集めることにしました。”ウチに来て手伝ってね。ウチのクラスじゃみんな嫌がるようなことお願いしたいんだけど。期限は無いし、何なら知り合いとか連れて来てもいいよ”と学校中のクラスに呼び掛けたのですが、なにせ待ったなしの状況です。しかも急ごしらえな印象は否めず、”一応、ウチに来てもらう前に簡単なチェックはさせてね”と言うものの、バタバタな状況下、チェック機能が働くかは疑わしいところがあります。また、”来てくれたら御礼はするけど、その御礼の中身は確約できないな””手伝ってくれてる間に病気やケガがあっても自分で対処してね””あ、あと、ウチで人手が足りるようになったら、もう来なくていいし、帰ってね”というニュアンスのことも言います。

 

これ、クラスを預かり、クラスに対して責任を持つ担任の先生としては、不安ですよね。勝手にそんなお触れを出して、生煮えな話がどんどん進んでしまう。来るたびに、知らないヨソの生徒が自分の教室に溢れていたり、実は問題児が紛れ込んでいたり、善意で来てくれた子が”裏切られた”という思いで帰って行ったり。でもA君は先生に、”ちゃんとやりますから”とだけ言い、待ったをかける子たちの話にも取り合おうとしません。今のままでは、周囲の意見にも聞く耳を持たないまま、「俺たちで決めちゃおうぜ」とばかりに突き進みそうです。

クラスの中を見回せば、役割が無くて手持ち無沙汰な子、役割に対して人数が多すぎて暇そうにしてる子など、もっと上手に役割を配分すれば、五月雨式にヨソの生徒を受け入れなくても(あるいは少しの数の受け入れでも)できるはずなのに、自分が決めれば全体を見ないA君、おそらくこのまま生煮えの話で押し切るようです。

次の学級委員長を決めるにも、やはり節目までは手が打てず、先生も「何事も無ければ良いけど・・・」と不安げに見守るしかない状況。先生としては”そもそもそのイベント、やって欲しいと思ってない人も結構いると思うんだけど・・・”とも言えず、”まぁ、今まで総合点ではA君のおかげでクラスも纏まってる印象だし”という気持ちもあって、今は祈るような気持ちで見ているのが本心でしょうか。

間もなく年も変わり、来年は亥年。先生や、一部クラスメイトの不安など意にも介さないA君の猪突猛進ぶりが、まだ続きそうな気配です。

 

何の事とは言いません。あくまでフィクションの世界です。ノンフィクションにならないことを祈りつつ、爺は戯言を述べるしかないのです。