MASA日記

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時事の戯言40 学生服問題

10月15日 月曜日 時事の戯言40

 

こんばんは。

朝晩はめっきり涼しくなりました。街行く生徒たちもYシャツ姿は減り、制服を着ていますね。わたしは高校時代、私立に通っていたこともあり、当時まだ少なかったブレザーの制服でしたが、最近は公立・私立問わずオシャレな制服も増えました。

一方で、2018年2月12日付の当ブログで取り上げましたが、東京銀座にある東京都中央区立泰明小学校ではアルマーニの制服を標準服とすることを決め、その価格が高いこともあり、大きな問題として幾度も報道されていました。

さて、今夜の「時事の戯言」では、学生服一般に関する話題に触れてみます。

■ 公正取引委員会の調査結果

遡ること約1年前、2017年11月29日、公正取引委員会「公立中学校における制服の取引実態に関する調査について」という調査結果を公表しています。

背景としては、2007年度は27,000~28,000円程度であった学生服の価格が、2016年度には32,000~33,000円程度に上昇し、保護者らから「高すぎる」との声が上がったことがあります。制服以外にも、体操着、服、カバン、部活着など、学校指定で揃えるものは多くあるため、学生服単体で5,000円程度の値上げは懐に響きますよね。

公正取引委員会では、全国およそ1万ある公立中学校(入学者選抜を実施していない)の中から抽出した600校に対し、制服の指定・仕様、学校と制服の製造業者との関係、学校と制服の販売業者との関係、制服の販売価格等に関する書面調査を実施し、約74.5%にあたる447校から回答を得ています。

また、制服の製造業者・販売業者・公立中学校関係者ら45名に聴取調査を実施しました。その分析結果から見えてきた傾向は、

・店頭価格が横並びの方が価格が高い(特に、男子の詰襟、女子のブレザーで顕著)

・学校がメーカーや販売店に対し、価格決定に関与した方が安い

・参入している販売店が多い制服の方が、価格が安い

自治体でデザインを統一した制服の方が、価格が安い

・定期的に業者に入札を行わせている自治体の制服の方が、価格が安い

というものです。並べてみて分かりますが、市場原理に照らせば、至極当然のことですよね。普通の洋服を買う場合でも、同じことが言えるでしょう。公正取引委員会は、この傾向に則り、学生服の価格を下げるよう努力を促す提言を行っています。

 

■ 業界体質

それにしても、なぜ市場原理が働かず、価格が高いのか疑問に思っていたところ、東洋経済オンライン2018年8月27日付「値上げ続く学校制服、知られざる業界『体質』」という記事に、一つの答えになる理由が書かれていましたので紹介します。

記事によると、学生服市場では、いずれも岡山県に本社を置く菅公学生服、トンボ、明石スクールユニフォームカンパニーの3社が過半のシェアを握っているとのこと。学生服の場合、合格発表後に採寸を行い、4月の入学式までの納期に間に合わせる必要があるという特殊性、加えて、3年間使うという観点での耐久性などから、ほとんどが国内生産であるそうです(一般衣料品は9割超が輸入品)。また、祝い品の性質も持つ制服は、着心地の良さや風合いの点から、高価な天然素材のウールが使用されています。

さらに、教員は日常の業務が多忙であり、制服価格に関与する意識が低く、学校も費用負担しないため、「(製造の)指定を受けている以上は言い値で価格を上げられる」とは業界関係者の言だとか。もちろん、原材料の高騰などは否定しないものの、業界による価格設定がそのまま反映されることが多いのだそうです。

その皺寄せを受けるのは、他でもない保護者ですから、なんとも複雑ですね。

 

■ 爺の戯言

上記東洋経済の記事では、2016年に栃木県の某高校で、学生服のコンペ結果が白紙撤回された事例を冒頭で紹介しています。

理由は、コンペ後に、選ばれた制服メーカーと高校教員が祝杯を挙げていた様子が目撃され、通報されたからです。しかし、これもまた業界人には日常的な風景なのだとか。

これは制服に限ったことでは無いですが、一度仕組が出来上がると、その慣習を覆すには相当な労力が掛かります。しかし、度が過ぎれば自由競争が働かず、談合や慣れ合いといったの部分が顔を出すわけで、いつの時代もどの業界も難しい話です。

ただ、忘れて欲しくないのは、その費用は誰が払うのかという視点です。自分の懐が痛まなければ、成り行き任せで良いというわけでも無いでしょう。

3社寡占という状況に風穴が開かないのか、一方でアルマーニ制服のような突飛な判断も如何なものか、学生服を巡る問題に解決の糸口は無いまま、また半年もしないうちに新しい春が巡ってくるんでしょうね。

季節の移ろいにそんなことを思うなんて、爺になった証拠ですが。