MASA日記

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数字でアカデミー 第3回~52~

5月31日 木曜日 数字でアカデミー 第3回

 

こんばんは。

月末の仕事が膨大だったため、遅い更新になりました。

今夜の数字でアカデミーは、第2回までとは少し毛色の違う話です。このブログ、とりわけ「スポーツ」をテーマにしていた頃、わたしが山本昌さん(元 中日ドラゴンズ投手)ファンであることは何度も公言してきました。

現在の首脳陣は、OB以外が中心の組閣であり、特に星野仙一氏(故人)の下で主力に育ったOBたちは、概ね外されているのが現状です。そうした中、久々に山本昌さんの記事を目にしたのが昨日でした。アマ指導者の資格を回復したこともあり、母校でもある日大藤沢高校の臨時コーチを務めているのだそうです。

個人的にはドラゴンズのユニフォーム、それも34番をつけて入閣して欲しいと願っていますが、大好きな野球に携わっていてくれるのは嬉しいことです。

 

さて、そんな山本昌さん。高校卒業後からドラゴンズ一筋、史上最年長である50歳まで現役を続けた驚異的な肉体の持ち主で、数々の最年長記録も打ち立てました。裏ローテのエース的な印象を持たれやすいですが、ここぞという試合でチームの勝ちに貢献する屋台骨的な存在でもありました。裏ローテであろうと、通算219勝は堂々たる数字ですし、やはり実力が伴わなければ32年も現役を続け、それだけ勝てないはずです。

 

プロ野球の投手を分類するとき、「本格派」などという絶対的エースに用いるような表現もありますが、「速球派」「軟投派」に分類するなら、多くの方は山本昌さんを後者に分類することでしょう。変化球が多彩ですし、コントロール重視の投手ですから。

若かりし頃、今中慎二さんとのWエース時代を見ても、中年になり川上憲伸さんらが台頭した時代を見ても、やがてチェン投手や吉見投手が主力になった頃を見ても、ある意味ずっと老獪なピッチングで、のらりくらり投げている印象があります。それは、特に各時代のエースと呼ばれた投手の多くが「速球派」であるため、その対比で余計に「山本昌=軟投派」というイメージが定着したのかもしれませんね。

 

しかし、これは山本昌さんにとって好都合だったことでしょう。なぜなら、彼はストレートを磨き続け、春のキャンプでもストレートが納得できない限り、変化球の練習に入らないほどのこだわりを持っていたため、変化球イメージはそれと反するからです。

何かの番組でも、ご本人は、ここぞというときはほとんどストレートを投げていたと言っていますし、長年の女房役であった中村武志さんも「133~134キロ、内角ストレートでのミノサン(見逃し三振)が一番気持ち良かった」と言っていました。

最後はスクリューで引っ掛けさせるんだろう、緩いカーブで見逃しを狙うんじゃないか、打者はそう予測する中、意表をついたストレートがズバッと来る。山本昌さんのイメージとは真逆の作戦です。

 

ただ、それだけでは成り立ちません。相手はプロの打者です。プロの中では決して早くない133~140キロほどのストレート、打ち返したり、カットすることはできるはずです。それをさせないヒミツが、今夜の52という数字です。

 

前にも書いたと思いますが、答えは山本昌さんのストレート、1秒間の回転数です。

回転数が少ないボールは、マウンドからホームベースまでの間に空気抵抗に遭い、球速が落ちます。初速と終速と言うようですが、その差が大きくなるわけです。150キロを投げる投手は、一般に「速球派」と言ってよいでしょうが、その投手が投げる球に回転が掛かっていなければ、バッターの手元に来たときには球速が落ちているのです。

反対に、回転数が多いと、イメージですが、空気に乗って伸びてくるため、終速が落ちにくいのだとか。物理的に伸びることは無いとしても、なんとなく分かりますね。

 

ここで、これも以前に紹介したかもしれないエピソードです。

入団初年の川上憲伸さんが、バッターボックスに立ちました。150キロを投げる速球派の守護神・ソンドンヨルさんと、130キロ半ばの軟投派の山本昌さんがそれぞれ投げました。バッターボックスにいた川上憲伸さんのところでは、感覚的にほぼ差が無かったそうです。つまり、ソンドンヨルさんのボールより、山本昌さんのボールの方が回転数が高く、伸びていたということになります。

速球派投手と触れ込みの投手が投げるボールと、軟投派投手の投げるボールが同じで、打者が持つイメージ球速データがこれに違っていれば、いくらプロの打者でも戸惑いますよね。この裏をかいた直球押しや、硬軟織り交ぜた組み立て、加えて間の取りづらい独特なフォーム、そして玉持ちの良さと、複合的な要素があったからこそ、山本昌さんは長く活躍し、輝かしい数字を残すことができたのでしょう。

 

では、最後に、その52回転という数字がどれだけ凄いのか、他の名だたる速球派投手と比較して、本日の「数字でアカデミー」を終わります。

藤川球児投手(現 阪神タイガース) 45回転

松坂大輔投手(現 中日ドラゴンズ) 41回転

ダルビッシュ有投手(現 大リーガー) 41.41回転 *大リーグでの数値のため参考値

いずれも各チームで本格派として鳴らした、ストレートで抑えるイメージの投手たちです。実は山本昌さんの直球、それ以上の回転数だったんですね。

 

今夜は少し違った、数字でアカデミー、というより小ネタですね。