MASA日記

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時事の戯言 第16回~赤字路線のバス経営~

3月26日 月曜日 時事の戯言第16回

 

こんばんは。

弥生3月も、残すところ1週間となりました。本当に1年早いですね。

 

■ 問題の概要

2018年2月8日、岡山県に拠点を置く両備ホールディングス(以下「両備」)が発表した内容に端を発します。その内容は、傘下の両備バス岡山電気軌道が持つ78のバス路線のうち、31路線(両備18、岡電13)について2019年3月末で廃止するというものです。

全路線中およそ4割にも及ぶ廃止届の衝撃は大きく、地元岡山県のみならず、全国的なニュースとして大々的に取り上げられたのでした。

このニュースの結論を先に述べれば、2018年3月14日、両備はすべての廃止届を取り下げ、当面は現状の路線が維持されることに落ち着きました。

 

■ 問題の背景

結論は先に述べたとおりですが、決して今後も安泰というわけではありません。

今回、両備がこうした荒業を繰り出したには背景がありました。両備の主張によれば、岡山市中心部の循環バス「めぐりん」を運行する八晃バスの競合路線拡大が認可されたことへの対抗策だと言うのです。

自由競争が認められることは、利用者にとってメリットである反面、事業者にとっては体力勝負になるのも事実です。後参組の八晃バスは中心部の黒字路線で運行しており、体力を削がれる度合いが少ないものの、地方路線を張り巡らせる両備は、赤字路線の穴埋めを黒字路線で行っており不公平だ、それならば両備も赤字路線から一斉撤退するぞ、という大きな爆弾を投げつけたわけです。

「国の理解や、地域公共交通の維持に向けて努力するという4市の意向も確認できた」という理由で廃止届の取下げに至ったわけですが、この問題提起は大きいと思います。

 

■ 公共性と自由競争

JR北海道の経営難問題や、国公立大学の経営問題でも書きましたが、”官から民”の流れが過度になると、このような問題が起こりかねないと思います。

国土の管理、交通含む社会インフラ、教育など、本来は国が大きく関与・管理すべき分野を大幅に緩和すると、国土・国民全体に行き渡るべきサービスに不均衡が生じるのです。民間企業にとっては利益確保が最優先になるわけですから、赤字が嵩む事業は廃止や縮小に傾くのは自明の理です。

一方で、特定事業者が地域の主権を握り、いわば独占状態にすることにより生じる問題も、過去の歴史が証明しているとおりです。

こうしたジレンマは各地(特に地方部)にあり、今回の両備が投げ掛けた問題は、実は根が深いものだと思うのです。

 

■ 時事の戯言

岡山市中心部の例では、八晃バスの運賃は両備より4割ほど安いそうです。これは両備が高値設定し過ぎているのか(赤字路線の補填等を目的として)、あるいは八晃バスが不当に安値に設定しすぎているのか(利用客囲い込みのため)分かりません。

しかし、4割差という数字は、やはり誤差の範囲で済まされるものではありません。

まずは、安全性確保と事業維持のために、いくら程度が妥当なのかを示し、”最低運賃はいくらにするように”といった目安を示して過当競争に歯止めを掛けるとか、両備の赤字路線維持を念頭に、市内黒字路線への新規参入本数を制限するといった方法もあるでしょう。公共サービスの維持と自由競争促進という相反する要求に対し、バランスを取ることこそ行政が果たすべき役割なのではないでしょうか。

両備は手荒な方法で問題提起したわけですが、これくらいのインパクトを与えないと行政も考えない、ということでしょうか。爺としては、行政のコントロールに期待するところでありますが。今後、どうなっていくのでしょうね。