MASA日記

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マニアな小ネタの世界 第45回~作詞家・阿久悠の凄さ~

3月16日 金曜日 マニアな小ネタの世界第45回

 

こんばんは。

 

今夜の「マニアな小ネタの世界」は久々の音楽ネタです。

前回の音楽ネタは、「絶望的な詩の世界」と称して、北原ミレイさんの「ざんげの値打ちもない」を取り上げましたが、この作詞も阿久悠さんですね。

阿久悠さんは数々のヒット曲を手掛けた日本を代表する作詞家の一人ですが、わたしは彼を凄いと思うところの一つが、出だしの数フレーズで”聞き手の頭に景色や状況をインプットさせる力”だと思っています。

 

阿久悠さんが作詞した「津軽海峡・冬景色」(歌/石川さゆりさん)を見てみます。

上野発の夜行列車 降りたときから 青森駅は 雪の中

たったこれだけのフレーズですが、季節は冬であり、場所は青森駅であり、主人公は上野発の夜行列車に乗って青森駅に来たということが分かります。

 

たそがれマイ・ラブ」(歌/大橋純子さん)はどうでしょう。

<1番>今は夏 そばにあなたの匂い <2番>今は冬 そばにあなたはいない

いきなり「今は夏」「今は冬」と状況設定を頭に置くんですよね。ああ、そうなのか、と否が応でも頭の中に残るんです。たった5字ですし、何のひねりも無いのですが、それなのにインパクトはあるというのが凄いです。

ちなみに「たそがれマイ・ラブ」で言えば、「夕立が 白い稲妻連れて 悲しみ色の日暮れにしていった」という表現は、どこかロマンティックな擬人法です。

 

「UFO」(歌/ピンク・レディー)の場合。

この曲、歌詞を読んでいくと、恋愛対象の男性は実は「宇宙人」が正解だと思うのですが、なにせ出だしでいきなり「UFO」と断定しています。そう言われると、誰がなんと言おうと、この作品が描いているのは「UFO」であって、「宇宙人」ではなくなるのです。出だしで言い切る潔さ、インプットさせる力強さはここでも健在です。

 

と、いくつか例を挙げましたが、多くの作詞家の方々が、作品全体を通して情景を描こうとするのに対し、阿久悠さんは頭から情景を断定するという特徴があると思います。その良し悪しは分かりませんが、すんなり受け入れやすい土壌が整っているのです。

そして日本語に馴染みやすい七五調を押さえ、韻も踏んでいるので、耳にも優しいですし、最近の曲に多い全部を説明してしまう”くどさ”もありません

 

幅広いジャンルを手掛けた阿久悠さんが、稀代のヒットメーカーだったことは、個人的には頷けます。作詞家という職業に徹した逸材、既にこの世を去りましたが、今後も彼の作品は残り続けることでしょう。

 

以上、今週の「マニアな小ネタの世界」でした。