12月25日 月曜日 時事の戯言第6回
こんばんは。
2017年最後の「時事の戯言」です。1995年より始まった、その年を表す漢字1文字(財団法人 日本漢字検定協会主催)、2017年は「北」が選ばれましたね。北朝鮮問題、キタサンブラック(北島三郎さん所有の競走馬)活躍、北海道日本ハムファイターズ大谷投手への注目などが、その選考理由でした。ちなみに、2位に「政」、3位に「不」と続いたのですが、わたし個人は「隠」な一年だったと思っています。
■ 疑惑
政治の世界では、衆議院の解散総選挙が行われましたが、大義なき解散とも言われました。野党が混乱しているのに乗じたと取られかねない時期の首相による解散、本当の目的は、モリカケ(森友・加計)問題「隠」しではないか、とも報じられました。
当時、解散について説明した会見では、消費税使途の変更を理由としていましたが、特段それについて争点とされず、選挙後も議論が深まる様子も無いあたり、実際は何を目的とした解散だったのか、その真意は隠されたままだと感じます。
■ 大企業
ここ数年、大企業の基盤を揺るがす問題が多発していますね。2016年は、東芝による粉飾決算事件が明るみに出て、今なお不安定な状況が続いています。
2017年は、自動車業界に激震が走りました。東京モーターショー2017を控えた時期、日産自動車の工場において、無資格者によって出荷前検査が行われていたことが発覚しました。同様の問題は、後にスバルでも公表され、日産とともに、バブル崩壊前後より長年常態化していたことも明らかになりました。記憶では、1990年前後、日産とスバルは人的交流関係もあったと思うので、両社の企業文化に通じたのかもしれません。いずれも企業全体の故意があり、隠そうという意図で運用されていたものでした。
鉄鋼大手の神戸製鋼でも、データ改ざんが発覚しましたね。データ改ざんは、東レや三菱マテリアル等も関連会社でのデータ改ざんを発表し、五月雨式に各社が隠し事を公表した印象を受けました。一社では集中砲火を浴びるので、混乱に乗じて膿を出したのではないか、と思ってしまうほどです。いずれも検査結果を良く見せようと、本来のデータを隠したものですが、これでは大企業というブランド価値が損なわれます。
■ セクハラ・パワハラ・盗撮
もう今年に限ったことではありませんが、組織でのセクハラ・パワハラなど、有名企業や有名人に対する告発が相次ぎました。今まで隠れていた被害者が、勇気を出して声を上げたことで明るみに出たわけです。
また盗撮事件もたくさんありましたね。小型化・巧妙化した技術で隠し撮りするなど、卑劣な行為ですが、こうした犯罪に対する措置を強化して欲しいです。
■ 粉飾決算
2017年3月、格安旅行会社のてるみくらぶが破産しました。同社は、実際には相当な資金繰りの悪化があるにも拘らず、粉飾決算による事実隠ぺいを図っていました。
既に代金を支払っていても旅行に行けず、あるいは現地で二重に代金を請求されるなど、一番の被害者である旅行者たちを直撃する問題でした。
とまぁ、こじつけのように「隠」な2017年を振り返りましたが、時事に対しては明るいニュースが少なかった気がします。皆さんはいかがでしたでしょうか。
せめて「隠」ではなく、「穏」な2018年になるよう、願うばかりです。