MASA日記

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【特集】揺らぐ信頼②

10月24日 火曜日 【特集】

 

こんばんは。

昨日から開始の【特集】揺らぐ信頼、第2回目の今夜は、日産自動車問題です。

 

■ 問題の概要

9月29日、自動車業界大手の日産自動車は、国土交通省による抜き打ち検査(同18日実施)において、新車出荷にあたっての完成車検査に不備があったと発表しました。

道路運送車両法では、自社認定の検査員が検査しなければならないところ、無資格者が検査を行っていたことが判明したものです。これにより、38車種116万台というリコールを届け出しました。型式を特定しないリコールは極めて異例で、日産という企業全体に対する「信頼」に、厳しい視線が注がれる事態となったのでした。

その後、社長による会見が行われ、「検査そのものは確実に行われており、安心・安全に使っていただける」、つまり手続に不備はあるが製品に問題は無い、という見解を示しました。同時に、指摘された点への対応策を講じ、有資格者が完成車検査を行うよう体制を是正したとも公表していました

しかし、社長が公表した後も、系列の日産車体湘南工場で無資格検査が発覚、さらには追浜工場、栃木工場、子会社の日産自動車九州計4工場で、無資格検査が継続されていたことが判明しました。併せて、国土交通省に届け出られたものとは違うラインで検査が行われていたことも分かり、10月19日、全6工場での出荷停止と、前回リコール後に販売した約4千台の追加リコールも発表しました。

 

■ 会社と現場のバラバラ感、コンプラ欠如の一体感

わたしは専門家では無いので、完成品検査が無資格者により実施されていたことが、安全上どれほどの問題なのかは分かりません。しかし、”決められたルールを破った(守っていない)””やってはいけないことをやった”ことが問題なのは自明です。

この問題では、社長が会見し、対策を講じると発表したわけですが、日産ほどの大企業の社長がメディアの前で語る言葉の重さは、相当なものです。それにも関わらず、その足元である日産(グループ)自身の社員が、その後も無資格検査を継続していたことは、社長の発言など意にも介さず、いや軽視していると言わざるを得ないでしょう。社員が社長に対してそういう意識なら、一方の社長も「課長と係長間でうまくつながらない状況があった」と現場の連携が無資格検査継続の原因と述べ、まるで現場に責任を押し付けるかのような発言をしました。

こうしたバラバラな関係の会社にあって、日産全体で共有している一体感は、コンプラ遵守の意識が非常に希薄であることです。これはいくつもの点で見られます。

たとえば、問題発覚後の記者会見は、部長級が対応しました。日産の部長ならば相当な地位ですが、社会全体に与える不安や問題の大きさに鑑みれば、トップである社長が対応すべきです。部長に対応させたことは、問題軽視と取られても仕方ないでしょう。

そして後に開いた社長の会見で、先にも紹介した「検査そのものは確実に行われており、安心・安全に使っていただける」という発言は、大した問題じゃないとでも言いたげに聞こえるものでした。

その後も続いた無資格検査の原因が、仮に社長の言うとおり課長-係長の連携不足だったとしても、これだけ世間で騒がれている事態ならば、当の従業員は「無資格者が検査してはいけない」ことくらい認識していたはずで、連携云々が原因とは思えません

あたかも有資格者が検査したように見せるため、有資格者の名前の印鑑を用意し、帳簿で管理していたという実態、しかもそれが全工場で行われていたことを見れば、従業員の大半が「問題無い」と思っているからこそ、問題発覚後も継続したのでしょう

経営と現場がバラバラな会社で、皮肉にも一本筋が通っているのは、コンプライアンスというものへの意識が希薄、あるいは欠如していることです。しかもこれが20年以上も継続していたというのですから、自浄作用も望み薄ですね。

まさにCMのとおり、”やっちゃえ日産!”という社風なのでしょう。

 

■ モノづくりのプライド

今回は日産を取り上げていますが、その日産が救済策に乗り出していた三菱自動車も、昨今ニュースで見ない日は無い神戸製鋼も、偽装によって大きく「信頼」を損ねました。日本を代表する世界的にも名のある企業でこうした問題が続発することは、日本という国のモノづくり全般にも大きなダメージを与えます。

こうした企業はいずれも、自社ブランドや従業員のプライドを重視する一方で、問題の重大さやコンプライアンスを軽視していると言わざるを得ません。

自分たちが作る製品がエンドユーザーの手に届くとき、その出来を認めてもらえるような製品を作るというモノづくりの気概が、全体に無くなっていると感じます。 

日本の工業製品は世界一!というのは、もしかすると幻想なのかもしれません。今一度、誰のためにモノを作るのか、どういう気持ちで向き合うのか、そして守るべきことを守っているのか、個人も企業も見直す時期が来ているのではないでしょうか。