10月9日 月曜日 【特集】
おはようございます。
「体育の日」の今朝、わたしが住む地域では爽やかな秋晴れになりました。三連休最終日という方も多いでしょう。お出かけの際は、事故等お気をつけください。
さて、2017年の今年、奇数年は東京モーターショーの開催年にあたります。10月28日が一般公開日ですが、これに先立ち、各メーカーから出展車情報がチラホラ聞こえ始めました。そこで、直前企画として今週金曜日まで(除 木曜日)、4回にわたり各メーカーのわたしなりの”見どころ”を書きたいと思います。初回の今日は、国内最大かつ世界屈指のメーカーである、トヨタ自動車です。
■クラウンは成功するか?
今回のモーターショー出展車で、わたしが最も関心があるのが、2018年発売の次期型クラウンと言われる「クラウンコンセプト」です。
フロントビュー
サイドビュー
トヨタが流した上の2枚の写真は、アスリート系のものと思いますが、最近のトヨタデザインの延長線上にありながら、特にフロントは熟成が進んだ印象です。
一方でサイドビューは、筋肉質でスッキリしたデザインながら、リアエンドだけが少し煩い感じを持ちました。後端を上げつつ、ウインドウ下のラインはテールランプの形状に合わせたために、末端部で妙なダブつきがあるからだと思います。
センチュリーのサイドビュー
同じく2018年年央に市販され、今回のモーターショーでも出展される3代目センチュリーのサイドビューと比べてみてください。クラウンコンセプトは6ライトデザインによりスポーティさを主張しているのに対し、センチュリーは太いCピラーが安定感を醸し出しています。クラウンには、法人ユースやハイオーナーが一定数います。当然に後部座席の乗員への配慮や、クルマ全体の落ち着きがポイントですが、Cピラー部の細さはこうしたオーナーには”やや抵抗がある”かもしれません。
そうしたオーナーにはロイヤルサルーン系が用意されるはずです。しかし、基本骨格は共通で、搭載エンジンや排気量、それにフロントデザインで区別されるだけでしょうから、たとえモーターショーでのモニタリングを経ても大きな変更は無いでしょう。わたしは新型クラウンの成否、今後クラウンが向かう将来については、この6ライトデザインに掛かっている気がします。全体感は”悪くない”とは思いますが。
■SUVの目玉はコレか!
トヨタは同じく、今年のモーターショーで「Tjクルーザー」なるクルマの出展を発表しています。名前から分かるとおり、「Fjクルーザー」の後継にあたるのでしょう。
それにしても、なかなかチャレンジングなデザインですね!でも、遊び心くすぐるクルマは、これくらいで良いと思います。キャビン部の四角さは、三菱のデリカD:5にも似た割り切りです。フロントフェイスはどのクルマにも似ていませんが、なかなか面白いクルマです。オフロード走破性も高いでしょうから、一定のニーズはあるでしょう。
■コンパクトセダンの未来は?
具体的に出展されるクルマの情報はありません。
トヨタは日本のメーカーとして、日本のユーザーに合ったクルマを提供し、歴史ある車名を大切にするメーカーでもあり、そこは素晴らしいと思っています。
しかし、錯綜している情報によれば、カローラはガラパゴス化している国内向け専用をやめ、海外分と共通化させて3ナンバー化するという情報があります。また、それに伴いカローラの上位に位置するプレミオ/アリオン(コロナ/カリーナの系譜)も包含し、これら2車種はブランド消滅とも言われています。
しかし、カローラというクルマは、既にオーナーの高齢化が進んでいるわけで、そうしたユーザーにとっての貴重な選択肢でもあります。四隅の見切りや取り回しの良さ、安全性能の高さがこうしたユーザーの求めるところでしょうが、3ナンバー化、スポーティさをカローラの売りにするならば、ニーズにマッチしないでしょう。
トヨタはカローラというブランドの高齢化や消滅を危惧しているのでしょうが、大量の高齢者マーケットに向けて、高齢者に適したクルマを提供することも、日本を代表し、経済的にも余力のあるトヨタが行うべき社会貢献ではないでしょうか。
走ってワクワクするクルマばかりがクルマではありません。