MASA日記

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保険 第23回~食中毒と保険~

8月30日 水曜日 保険第23回

 

こんばんは。

このところ、食中毒が世間を騒がせていますね。この食中毒と損害保険の関係について、知る限り纏めてみました。

 

◆細菌性とウィルス性

食中毒と言っても、主に夏に発生する「細菌性」食中毒と、冬に発生する「ウィルス性」食中毒があります。この違いを簡単に纏めます。

「細菌性」の細菌は、繁殖可能な環境さえあれば、たとえ生きた細胞が無くても単独で増殖できるのが特徴です。したがって、比較的短時間で容易に食べ物の中で増殖していきますが、一定以上の加熱により死滅すると言われています。

一方、「ウィルス性」は、単独で増殖することができません。生きた細胞に入り、それが感染して細胞は死滅し、ウィルスはまた他の細胞に感染を広げていきます。こちらは人から人へ感染がしやすい特徴があります。

 

◆傷害保険における食中毒の扱い

かつて、傷害保険では「ウィルス性」食中毒は補償され、「細菌性」食中毒は対象外でした。これは傷害保険の3要件「急激性」「偶然性」「外来性」の観点からきているものです。ところが、保険上の観点で見れば、厳密に区分するほどの差異とも言えず、2007年の傷害保険改定を機に、食中毒は補償対象外とされました(一部、旅行傷害保険等の商品では補償が残りました)。

この際、「特定感染症危険担保特約」(名称は各社により異なる場合があります)なる特約が新設され、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に定めた第1類~第3類の感染症、具体的には、鳥インフルエンザSARS、このところ話題O-157などが特約によって補償されることとなりました。

 

◆業者の保険における食中毒の扱い

傷害保険は、食中毒に感染してしまった被害者自身が加入する保険です。

では、図らずも加害者となってしまった食品提供業者が、万一に備える保険についてここからお伝えします。大別して2種類あります。

一つは、生産物賠償責任保険、いわゆる(国内)PL保険と呼ばれる保険です。これは、製造や提供した生産物により、被害が生じた場合に、その回復に要する費用を賠償するための保険です。たとえば、総菜工場の出荷した食品で食中毒が発生すれば、その出火した総菜が生産物になります。食堂で出した食事により食中毒が発生すれば、提供した食事が生産物、という具合です。被害者が下痢や嘔吐を訴え、入通院した費用や、その交通費、会社を休んだ休業損害、加えて慰謝料などが、賠償項目になります。

もう一つは、食中毒利益保険(名称は各社により異なる場合があります)です。これは、保健所の立ち入り後、一定期間発生する営業停止により発生する、売上の減少分を補うための保険です。つまり、生産者の営業損を補う意味合いです。

 

このように、食中毒という一つの現象にも、損害保険は様々な形で対応しています。食中毒は発生しないのがベストですが、よろしければご参考になさってください。