MASA日記

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乗り物 第36回~JR四国の路線維持は可能か~

8月29日 火曜日 乗り物第36回

 

こんばんは。

 

JR北海道同様に経営難にあると見られるJR四国が、その赤字路線について公表することは、本ブログ2017年4月4日付「乗り物 第20回~JR四国、赤字路線の収支公表へ~」にて取り上げました。

そして、今月18日に開かれた、四国の鉄道網を維持する方策を考える有識者懇談会(座長は正司健一・神戸大大学院教授)では、瀬戸大橋線を除く8路線がすべて赤字であり、「自助努力だけでは路線維持は近い将来困難になる」との見通しを示しました。

今夜は、JR四国が単独で路線を維持することができるのか、私見を書いてみます。

 

瀬戸大橋線以外赤字が意味すること

JR四国は9路線を持っています。

このうち、四国の鉄道の玄関口である香川県高松市と残る3県を結び、本州からの特急も乗り入れる、予讃線愛媛県香川県)・土讃線高知県香川県)・高徳線徳島県香川県)の3路線をA群、残る四国島内各地に点在する路線をB群と分類すると、唯一黒字路線である瀬戸大橋線は、A群の3路線と香川県住民、つまり四国四県からの利用客を纏めてようやく瀬戸大橋線が黒字化できている、ということです。

逆に言えば、四国島内の鉄道移動に限れば、常に赤字を続けていることになります。では、四国から本州へのニーズはあまり無いのでしょうか?

 

◆本州移動のニーズについて

本州と四国を移動するニーズは、あると思っています。

かつては海により隔てられていた本州と四国が、3本の橋(東から、神戸鳴門ルート、児島坂出ルート、尾道今治ルート)で繋がった結果、ある現象が起きました。それは、四国からの流出です。たとえば企業で言えば、京阪神から出張するにも海を渡るのは一苦労だったところ、橋のおかげで日帰りできるために(特に東四国の)支店の撤収という現象が一部で見られました。

逆に、四国の人が娯楽や買い物を目的に、本州に渡るという現象は今も続いています。

つまり、本州四国相互にとって、その移動ニーズはより高まっていると考えられます。

 

◆本州移動の二極化について

本州四国の移動ニーズが高まりを見せる中で、鉄道にとって脅威的な存在があります。それは高速バスです。高速バスが支持される理由は2つあると考えます。

たとえば高知県の人が大阪に行きたいとします。

【高速バス】高知駅大阪駅 所要時間約5時間(乗換なし) 料金6,150円

【鉄道】高知駅岡山駅新大阪駅大阪駅 所要時間約4時間(乗換3回)料金9,760円

所要時間が1時間長くても、乗換が無く、料金が安い高速バスは魅力です。

もう一つの理由は地理的な意識からくるものです。たとえば徳島県の人にとって、海を隔てた対岸にある大阪や兵庫に行くのに、一度香川や岡山を経由してから兵庫・大阪方面に向かうのは、明らかに距離と時間の無駄が多いと感じるでしょう。これは、鉄道の四国の玄関口が高松駅に集約されていることからくる負の部分です。

こうして、四国と本州の移動は、香川県を窓口とする鉄道、徳島県を窓口とする高速バスへと二極化され、現状、高速バスが活況を呈しているのです。

 

◆四国四県の関係性について

今までは本州と四国の移動という観点で見てきましたが、今度は、四国島内の相互移動のニーズにつ目を向けます。その前に、四国四県の関係性を見ておきます。

四国は、左上から時計回りに、愛媛県香川県徳島県高知県から成ります。四国という島の中で纏まりがあるか、と言えば、実はそうでもありません。方言に顕著だと思いますが、愛媛県香川県は、瀬戸内海を挟んだ広島県岡山県との結びつきが、徳島県紀伊水道を挟んだ大阪府兵庫県との結びつきがあり、四国山地吉野川で隔てられているという地理的な影響から、高知県は独自な文化が根付いています。

様々なレベルで相互に依存する関係性でも無く、頻繁かつ密に移動を行う必要性があるとは言えない状況です。

 

◆四国島内の移動について

それでも四国島間の移動は勿論あるわけですが、手段は何を利用するのでしょうか。

ここでも高速バスは一定の支持を得ているそうですが、四国に住む知人らに聞くと、自動車での移動が融通が利いて便利だと言っていました。

これはもう一般的に言えることですが、都会は公共交通機関が発達していて自動車の維持費が高い。田舎は公共交通機関が不便で自動車が生活に欠かせない。四国はその後者に該当するため、島内どこに行くにも自動車移動が便利なのだそうです

四国の道路は、外側を国道11号線、55号線、56号線が連続して囲み、内側をクロスする形で国道32号線、192号線が走ります。これに高速道路を加えれば必要十分なのです。

 

JR四国の鉄道の未来について

さて、そろそろ本題に戻って、JR四国が今後、路線維持ができるのかの私見です。

本州と海で隔てられている地理的環境から、四国の人にとって”本州に渡るのは費用が掛かる上に面倒だ”という潜在的な意識があることを、まず押さえる必要があります。その点を上手にクリアしたのが高速バスという移動手段でした。今後も、本州と四国を結ぶ移動手段は、少なくとも京阪神以東に向かう場合、高速バスが主流でしょう。

四国島内は、自動車文化を脱却できないと予想します。

現状の近距離移動について、鉄道は、便数が少なく、運賃が高く、駅まで行くのも面倒という理由で選ばれていないわけです。そのネガティブ要素を払拭できるなら別ですが、現状維持すら困難な状況下、この負のスパイラルを抜けるのは無理でしょう。

まして、人口の減少と高齢化が進む中で、採算増を見込める根拠はありません。

有識者会議は、自治体の負担を求めていくようですが、四国の自治体にその余裕が無いであろうことは想像に難くありません。北海道のケースと同様です。

本州移動で高速バス、近距離移動で自家用車にシェアを奪われているJR四国が、今後も独自で路線維持を図るのは困難だと考えます。

民営化されてしまったJR四国にとって、瀬戸大橋線と、これに繋がる、最初に述べたA群の3路線以外は廃線、という選択肢も見据えるべきでは無いでしょうか。

地方を見捨てるのか、という声もあると思いますが、赤字しか生まない鉄道を経営するほどの余裕は無いはずです。むしろJR四国バスに力点を移し、ホテル等の不動産事業とともにグループ全体での経営改善を図る方が無難だと思います。

それでも鉄道網維持を図るのならば、それは本来、国家としてのインフラ整備の問題ですから、もはや別次元の話となるでしょうね。