MASA日記

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保険 第20回~水害に遭ったら~

7月12日 水曜日 保険第20回

 

こんばんは。

 

連日の九州を中心とする豪雨では、人的被害もさることながら、物的な被害も広範に及んでいるようです。過去にも述べたことがありますが、今一度こうした水の被害について、損害保険の内容を纏めておきたいと思います。

 

◆風災と水災の違い

たとえば先日の台風3号は、大雨をもたらすとともに、刺激された梅雨前線も相俟って、河川の氾濫を引き起こしました。火災保険の証券などを見ると、補償範囲に「風災」「水災」という文字が見られるはずです。

「風災」は、台風や竜巻等の風による被害を指し、これが原因となって屋根が破損し、雨が降り込んだような場合に保険金の対象となります(単なる雨漏りは対象外)。

これに対し、洪水や河川氾濫のように、下から水が上がってくるものが「水災」です。したがって、たとえ台風による梅雨前線の活発化がきっかけとなっていても、水が上がって浸水するものは「水災」でしかカバーされません。

「風災」は上から、「水災」は下から、という区分が覚えやすいでしょう。

 

◆土砂災害

では、今回の報道にもあった「土砂災害」はどこで補償されるのでしょうか。

土砂災害は、地面が水を過剰に含むことで起きるため、「水災」の一部として補償されることになっています。たとえ家屋の横や上方から土砂が襲ってきても、です。

 

◆「風災」と「水災」の保険上の扱いの違い

①免責金額

「風災」は、「ひょう災」「雪災」と並び、かつてはフランチャイズ免責20万円とされていました。つまり、廃棄物の処分費などを除く純粋な修理費用が20万円を超えない限り、そもそも保険の対象にさえならないのです。

一方で水災には、こうした免責金額はありませんでした。但し、「水災」が補償されるためには、床上浸水や地盤面からの浸水高、あるいは建物評価に対する損害割合などの一定の条件を満たすことが必要とされていました。

②実損てん補と割合支払

「風災」はじめ、火災保険の多くの事故形態(もっと言えば損害保険のほとんど)は、実際に被った損害を見積を出し、それに対しててん補していくのが一般的です。

これに対しかつての火災保険では(現在も一部残存しているかもしれません)、「水災」は例外的で、地震保険同様に、その損害程度に応じた支払割合が決められており、それに応じた金額算出がされていました。地震も水害も、広範囲に大規模に起こるため、画一的かつ迅速に対応する必要性から、査定が単純化されていたわけです。

③近年の商品性

上記①②はいずれも火災保険の旧来からの考え方に基づく分類ですが、近年は商品性が多様化し、各社独自の構成となっており、免責金額も「水災」を特別扱いしない商品や、支払い方も単純に免責金額を引くだけの商品が増えているため、その意味での分類の意義は薄れているように感じます。むしろ、近年は以下の点で「水災」区分の重要性が高まっているのではないでしょうか。

火災保険に加入しようとすると、「水災」を補償に加えるかどうか検討を求められます。自然災害の増加に伴う支払増加で、保険料自体も上がっているため、その調整要素として「水災」を対象から外せる設計になっていることが多いです。

ここで注意いただきたいのは、本当に外して良いかよく確認が必要することです。先に書いたとおり、「水災」は下から上がる水ですから、河川の氾濫に加えて、排水能力が乏しい地域では豪雨で浸水する可能性も否定できません。また、土砂災害も「水災」ですから、河川が近くに無くても、裏山の土砂がなだれ落ちる可能性があれば、「水災」の補償が必要となります。このように、近くの河川の有無、山の有無、そして過去の水害の有無などを総合的に判断して、「水災」の要否を判断することが重要です。

 

◆もし家屋が水災被害に遭ったら

不運にも「水災」により、家屋が完全流出した場合を除き、多くの方は落ち着いたら一刻も早い後片付けをしたいと思われることでしょう。

その際、ボランティアの方々などがいらっしゃれば、片付けのスピードアップにもなるので、大変心強くありがたいですよね。

ただ、ここで注意していただきたいことがあります。損害保険に請求を予定している場合、まずは被災した状況をしっかり写真に残しておいてください。

よく言われる表札や家の全体像のみならず、水や土砂が上がった高さが分かる内部写真、それに家財の散乱している状況も写真に残しておきましょう。

家財に火災保険を掛けている場合、さすがに一点ずつ書き出すことは難しいかもしれませんが、主要なものを書き出すとき、写真があることにより、本当にそれだけの家財があったという裏付けができるからです。

早く片づけたいという気持ちはご尤もですし、そんなときにチマチマ保険会社の要望に応えていられないと思われるでしょうが、それがお金の請求に関わることも踏まえ、まずは写真を余分にでも撮影しておかれることをお勧めします。