MASA日記

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乗り物 第28回~東武東上線の人身事故に想う~

6月20日 火曜日 乗り物第28回

 

こんばんは。

 

今日は、”私鉄の中央線”と揶揄されるほど人身事故が多いとされる、東武東上線について思うところを書いてみたいと思います。

東武東上線では、先週6月12日は北坂戸駅構内での転落による人身事故、その3日後、6月15日にはふじみ野~上福岡間の踏切での人身事故、翌6月16日朝には駅構内での転落による列車遅延と、人身事故やその一歩手前の状況が1週間で3回も発生しています。

これほどまでに人身事故や遅延が多発する現状に、打開策は無いのでしょうか?

 

東武東上線とは?

東武東上線は、関東1都4県に総営業キロ463.3kmを誇る関東の大手私鉄である東武鉄道のうち、東京のターミナルである池袋を基点とする東上本線越生線の総称です。

もとは東上鉄道と東武鉄道対等合併した(存続会社は東武鉄道)ものですが、かつては「第二の国鉄」と呼ばれた東武鉄道の力は大きく、東京から放射線状に伸びる主要路線で唯一、JR(旧国鉄)が入り込めなかった場所です。

「東上」の名は、東京と上州(群馬県渋川付近)を結ぶ路線を目指すところに由来しますが、現実は埼玉県寄居までとなっています。

 

◆人身事故の多さ

まず、東武東上線でどれだけ人身事故が多いのか、2010年からのデータを紐解くと、全国鉄道会社の路線別ランキングにおいて、

2017年 14件 3位タイ<私鉄1位>(現時点)

2016年 17件 14位<私鉄6位>

2015年 30件 3位<私鉄1位>

2014年 37件 3位<私鉄1位>

2013年 38件 2位<私鉄1位>

2012年 35件 5位<私鉄1位>

2011年 22件 13位<私鉄3位>

2010年 36件 4位<私鉄1位>

と、2010年以降の7年間半で、常に上位に顔を出し、私鉄では6回も1位となっています。いかに人身事故が多いかは数字を見ればお分かりいただけると思います。

実際、わたしも仕事上で利用することが少なくありませんが、人身事故に至らない、踏切横断に伴う安全確認や、人身事故回避の緊急停止、対物事故もありますから、わたしが運転見合わせや遅延が頻発していると感じるのも無理はないところだと思います。

 

◆人身事故対策

もちろん、こうした事態に手をこまねいているわけではありません。たとえば構内の掲示物には、ホームドア設置、飛び込みを抑止する効果があると言われるブルーライトの設置、それに人的確認の徹底などが対策として掲げられています。

国土交通省の指針では、1日10万人以上が利用する駅での設置を基準としており、東武東上線で見れば、池袋駅和光市駅川越市駅がこれに該当します。既に和光市駅では稼働していますし、川越駅では整備中、池袋駅に加えて志木駅や朝霞駅でも2020年度末までに整備する予定を示しています。

東上線は、営業面で見れば、東上本線の営業係数第1位70.6、越生線が同第5位128.2と、東武鉄道における稼ぎ頭であることが分かります(2016年東洋経済記事)。この東武東上線で人身事故発生による損失が嵩み、沿線イメージの低下に繋がれば、東武鉄道のダメージも大きいと思われます。したがって、人身事故対策は喫緊の課題でしょう。

 

◆人身事故対策への疑問

わたしの疑問は、東武東上線に必要な対策の順位が違うのではないか、ということです。国土交通省の掲げる基準に該当する駅は当然だと思いますが、①速達列車の通過する駅のホームドア設置(特に複線区間)、②連続高架等による踏切の解消、が優先的に対処すべき課題だと考えるからです。

先のデータによれば、2010年以降の229件の人身事故のうち、ホームドア設置基準とされる3駅では合計6件(池袋駅3件、和光市駅2件、川越駅1件)しか発生していません。つまり残る223件はその他の場所で発生しています。

東武本線の速達列車は、池袋駅川越駅坂戸駅東松山駅以北の各駅に停車します。

次いで、成増駅和光市駅志木駅ふじみ野駅川越市駅が停車本数が多いです。

これらの駅では、速度が低めになりますので、事故発生確率が下がります。

利用者による飛び込みを考えれば、速度が高い通過列車に飛び込むことが”確率”が上がるため、上記以外の駅を選ぶことが考えられます。

また、旅客転落についても、停車本数が少なければホームに人が溜まるので、やはり速達列車が通過する駅ほど、転落リスクが高いと思われます。

そうした観点に立てば、むしろ速達列車が通過する駅で、複々線化されていない区間では、事故発生による影響が大きいことから、そうした駅こそ優先的にホームドアを設置していくべきではないか、と素人考えで思ってしまうのです。

利用者数が多い駅にホームドア設置は当然必要だと思うのですが、わたしは疑問を感じます。たとえば2017年発生の人身事故は、設置対象である駅で1件も起きていません。それはホームドアが設置されているからだろ?と言われるかもしれませんが、先程挙げた2010年以降の229件の人身事故のうち、ホームドア設置基準の駅は、池袋駅構内3件、和光市駅構内2件、川越駅構内1件の合計6件しか発生していません。この6件はいずれもホームドア設置前に発生しており、設置後発生していないことから、効果が無かったとは言いませんが、他に優先的に設置すべき駅があるのではないかと思うのです。

 

また、幾度となく踏切横断による安全確認があるとおり、踏切での人身事故多発も東上本線の一つの特徴と言えるでしょう。いずれにせよ、踏切解消に向けた連続高架化や、速達列車の通過駅へのホームドア設置が有効な対策と思われますが、現状ではこうした動きが確認できていません。あまり本腰を入れていないのでしょうか。

 

東上本線が”埼玉都民”の貴重な足の一つであることは間違いないと思います。和光市~志木は複々線化されており、人身事故の影響を緩和できます。しかし、志木以北で発生した場合、川越はJR各線を駆使すれば迂回できますが、志木~川越や川越市以北の利用者の足を直撃するため、やはりイメージ悪化になると危惧されます。

 

稼ぎ頭である東武東上線に、東武鉄道はもう少し抜本的対策を講じた方が良いのではないかと、思わずにはいられません。