MASA日記

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乗り物 第10回~自動車の統一アイデンティティ~

12月22日木曜日の夜です。

 

曜日テーマ「乗り物」もついに10回目の記事となりました。今回は乗用車のデザインについて書きたいと思います。あくまで個人の感想ですので、ご容赦ください。

 

先日、自動車の仕事をしている知人から、「車両価格は問わないとして、国産車で欲しいクルマは?」と聞かれ、回答に窮してしまいました。なんとか絞り出したのは「マツダ ロードスター」。これが外国車まで選択肢が広げられたなら、「ジャガーXE」「ボルボV40」「アストンマーチンDB9」など、選択肢は一気に広がったはずです。強いて挙げた「マツダ ロードスター」も、追加となった電動トップの「ロードスターRF」ではデザインが崩れてしまい、魅力は感じません。

 

日本車は最近、ホンダ、マツダなどに顕著な、そのメーカーのデザインテーマ全体を統一化するアイデンティティが進められています。一目見て、そのメーカーのクルマと分かるそれは、メーカーの方向性やメッセージを発信するには良いのかもしれません。しかし、レクサスのスピンドルグリルについてトヨタ内部でも声があるそうですが、デザインの幅に大きな制約ができてしまい、デザインの自由度が阻害されているとも感じます。しかもその制約が、欧州車などに比べて歴史が浅いので、とてもチープに見えるのです。グリルの統一などは、小さな目先の新しさの提案であって、クルマ全体で見る中では小手先の作業にしか見えません。アクの強いキャラクターラインも、おもちゃのようで、何百万も出すには勿体ないとさえ感じます。逆に安いコンパクトカーは無造作・無機質にプレスされた雑なデザインが多く、買う気がしません。

昨今、デザイン評価が高かったマツダのクルマも、現行アテンザや現行ロードスターでは、ハッとするような魅力がありましたが、新型CX-5や現行アクセラでは、車格に対してデザイン全体が鈍重で、とくに全体で見たフロントの重さが気になります。

 

12月26日号(11月26日発売)のベストカーの連載コーナー「水野和敏氏が斬る!」で、同氏が「インプレッサ」「アクセラ」「ボルボ」の3台を比較する中でデザイン論を展開しています。概略すると、デザインには3つの要素があるのだそう。①狙いとカテゴリーを表現する「プロポーション」(人で言えば、輪郭や顔の大きさ・形など)、②塊としての商品の特徴や質感を表す「面構成」(人で言えば、肌の張りや頬のふくよかさ)、③特徴や狙いをまとめる「キャラクターラインや表面処理」(人で言えば、お化粧など)。ボルボは、そのプロポーションがしっかりしており、面構成もメリハリがあり、キャラクターラインなどは必要最小限に収められている。つまり、スッピンでも、その素性の良さがしっかり表現され、メーカーの意図もはっきりしているのだ、と。この点で、他2台に大きく秀でているという評価です。一方で「アクセラ」は、機能部分からフロントグリルまで10cm以上も無駄があり、その原因は超厚化粧のデザインを成立させるために使われている。結果的に、「フロントの鼻が長いにも拘わらず、車両全長は他車ベンチマーク並にするためリアのオーバーハングを極力短くし」たため、「フロントの鼻の大きさ感と重さ感」「リアの小ささ感と短さ感」を生み出し、「横から見たこの異様なバランス感覚」に繋がっているのだとしています。もっとも、好き嫌いや感覚の問題なので、その評価は読者に委ねるとしていますが、少なくとも同氏は好ましく思っていないということでしょう。コンパクトカーに求められる取り回しや実用性がデザインのために阻害され、「誰の、何のためのデザインなのだろうか?」と書かれていることからも読み取れます。

わたしとしては、自分が「アクセラ」や「新型CX-5」「ロードスターRF」に感じていた”違和感”を、専門的に解説してもらえて腑に落ちた気がします。

 

そして、絶好調だったマツダの販売台数に陰りが見える一方、ボルボは依然好調を維持していることは、クルマにとって品質に加えデザインの良さが大きいことを示しているのだと思います。同誌の元連載者であった、故前澤義雄氏の言う「デザインの時間的耐久性」は、スッピンの良さによるもので、お化粧直しをいくらやっても良さに繋がらないということなのでしょう。

 

日本メーカーも、そろそろ、コンパクトカーの無機質化、セダンの雑なデザイン(特にトヨタ系は酷い)、高級車やミニバンのオラオラ系デザイン(高級感と威圧感を勘違いしている)、そしてちっぽけなアイデンティティは捨てて、時間的耐久性のある、何百万出しても手に入れたいと思わせる、大人のデザインを出して欲しいです。

 

重ねて言いますが、好き嫌いもありますし、あくまでわたしの感じ方です。オーナーの方を批判する意図は無く、ご気分害される方がいらっしゃれば申し訳ありません。