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MASA日記

働き方、お金のこと、趣味のこと、ニュースなど、徒然なるままに書いています

保険 第6回~福岡道路陥没事故に想う~

11月14日月曜日の夜です。

 

先週、大変な事故が発生しましたね。福岡市の博多駅前近くで、突如道路が広範囲にわたって陥没した事故は、新聞やテレビでご覧になった方が多いと思います。走行中の車両や通行人がおらず、工事関係者も予兆を察知して避難していたために大事に至りませんでしたが、場合によっては大惨事になっていたかもしれません。人的被害が無かったことは不幸中の幸いでしょう。埋め戻し作業も急ピッチで進められました。

 

この事故、まず市営地下鉄工事中の事故ということもあり、福岡市が責任を認めて謝罪しています。ごく自然な流れだと思います。

問題は、発注者である福岡市(あるいは福岡市交通局)の計画上のミスなのか、実際に施工を請け負ったJVの作業ミスなのか、どちらに責任があるのでしょうか。

仮に計画や設計上のミスであれば、JVとしては”指示どおりに作業したら水漏れが発生し、やがて崩落した”ということになり、JVの責任は生じませんね。

一方、計画は適性だったものの、実際の施工でミスがあり、誤って崩落させてしまったのならば、対外的に福岡市が謝罪しても、最終的にはJVが責任を負うことになります。

 

今回は人的被害はありませんが、地中にあるライフラインの復旧作業、それに伴う近隣の停電被害や休業損害、さらには埋め戻し費用と、莫大な費用が生じているはずです。一部で”保険があるから大丈夫だろう”という記載を読んだのですが、わたしはそうは思いません。なぜなら、この事故を補償できる損害保険は、一般には無いからです。

 

一般的な賠償責任保険では、”地下、基礎、掘削工事”に伴う振動や地盤崩壊による損害は免責とされています。それだけ”地下、基礎、掘削工事”では広範囲に損害が及びやすく、保険会社としてリスクカバーできないので免責としているわけです。

よくあるケースは、建物解体工事による振動で、近隣家屋の塀や壁に亀裂が生じる事故です。調査士が撮った工事前後の写真や建物の傾きを確認すると、広範囲に被害が出ているケースがあります。単なる上屋だけの解体ならば、そこまで拡大しません。やはり、”地下、基礎、掘削工事”のリスクは大きいのです。ちなみに上屋解体中の事故は、賠償責任保険でも免責とされていません。

したがって、本件はまさに”地下”工事ですから、この免責条項に該当してしまいます。

 

さらに、埋め戻し等の費用ですが、端的に言えば”技術力の補償はしない”ということです。過去にも2度同様の事故を起こしているそうですが、つまりは損害保険が技術力をカバーしてしまえば、もはや偶然では無く必然です。それは保険では無くなります。

”技術力が無い”施工者のやり直し作業を尻拭いしていればキリが無いので、保険は”やり直すのは自腹でどうぞ”と決めているわけです。

 

こうして見ると、周辺に及んだ損害は”地下、基礎、掘削工事”に伴う”地盤崩壊”による免責、埋め戻し等は”技術力の無さ”による”自己責任”ですから免責。つまり、ほぼ損害保険でカバーされる損害は無いと見て良いと思います。

 

もっとも、大きな地方自治体ですから、プロジェクトにあたりJVとともに被保険者となり、特別な保険料を支払ってオーダーメイドの保険を作っている可能性はあると思います。今回の件がどうなのかは知る由もありませんが、日頃行われている工事、実は業者さんにとっても周辺にとっても、リスクがあるということですね。