MASA日記

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台風と賠償責任

8月27日土曜日の朝です。

今年は台風1号の発生がかなり遅かった分、ここにきて台風の上陸や接近が増えています。例年は台風と無縁な東北や北海道方面で甚大な被害が出た上、台風10号はUターンする迷走台風となり、週明け早々にも西日本~東北の太平洋側に上陸しそうです。

 

台風による被害と言えば、暴風や大雨洪水が連想されますね。その中で稀に質問があるのが、台風による賠償責任についてです。例えば、暴風で屋根の一部が壊れ、ご近所に直撃して窓ガラスを割ってしまった場合。あるいは、庭の木が折れて家の前を歩いていた人に当たってけがをさせてしまった場合などです。賠償責任保険に加入しているので、それを使って賠償に当てたいとお考えになるようです。

 

賠償責任保険のおさらいをしますと、大前提として、法律上の賠償責任が発生すること(道義的な責任では認められません)、財物や人体に具体的な損害が発生すること、さらに保険適用上の免責事由に当たらないこと、の主に3点を満たして初めて使えます。

 

先の例で挙げた台風の事例では、第三者の財物や人体に具体的な損害は発生していますが、それ以前の法律上の賠償責任が発生するのでしょうか。

 

民法上、第三者に対する損害を賠償する規定として、不法行為があります。故意や過失によって第三者に損害を与えた場合に適用され、その過失については「予見可能性」と「結果回避義務」の有無が焦点となります。つまり、こうすればそのような結果が生じるということが事前に予見できること、それにも関わらず、そうならないような具体的な策を講じないまま結果を招いたこと、ということです。

 

台風の場合は、1週間ほど前から予報が出され、その後の進路や強さも含めて情報提供がなされますから、予見することができますね。翻って、台風の例に戻りますと、風圧でビルの窓が割れ、建設現場の足場が倒壊し、家の屋根が捲れ、自動車が横転するような強大な台風だとしましょう。そうしたケースでは、もはや自然の前に人は無力です。つまり、仮に「予見可能性」があったとしても、「結果回避」しようがないことから、いわゆる不可抗力の損害となります。つまり、道義上は申し訳ないと思ったとしても、法律上の責任は問われないため、賠償責任保険の適用は困難という結論になります。

逆に、台風が近づいても”あれ?”と思うほど風雨が弱いときもありますね。ご近所を見渡してもまったく何も起きないうちに通過したような。こうした中で、1軒だけ何か事故を起こしてしまうとなれば、”どうにか対処できたんじゃないの?”となります。

また、特に注意したいのは、庭やベランダの置物、お店前に立てた旗や看板です。これらを撤去しないまま風で飛ばされたような場合は、”そりゃ飛ぶでしょ!”と事前に分かるはずです。過失と言っても、故意同等の重度の過失です。

このように、台風の被害と言っても、一概に判断できないため、まずはそうした心配が無いように事前対策を講じるとともに、万一何か起きた場合は、加入した代理店さんを通じて保険会社に確認してみると良いと思います。

 

週明けの台風が、日本に甚大な被害をもたらさないことを切に願います。